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Brain miso flower field development!

私たち個人ゲーム開発者は、自作のゲームやアプリがうっかり1億万ダウンロードされたり、売り上げで5000兆円手に入れることによって遊んで暮らしたりゲーム制作だけして生活することを望んでいたりします。

果たして、そんなことが本当に可能でしょうか?

そんな疑問に答えるべく、私自身の経験や見聞きした話などをもとにデータを使って検証してみることにしました。


※IQが高めの読者諸君におかれましては、記事とのIQの乖離によって混乱が生ずるかもしれません。くれぐれも注意されたくお願い致します。

※本記事は「Unityゲーム開発者ギルド Advent Calendar 2021」の記事です。
https://adventar.org/calendars/6326(その1)
https://adventar.org/calendars/6487(その2)


一つ目の検証:朝食を毎日食べればアプリが1億万DLされる??

私は去年の12月、チームとして協力は受けつつも初めて個人でゲームアプリをリリースすることができました。

この時からほぼ一年が経ちましたが、ここ350日くらい朝食を欠かしたことが無いように思います。小食ですが毎日の朝ごはんを大事にしています。ちなみにパン派です。たま~にご飯。

その結果、アプリのDL数は増えませんでした。アップデートもせず、多言語対応もせず、要素を増やすことがないまま一年間経ったおかげで、朝ごはんとDL数の関係のデータを取ることができました。…が、非常に残念な結果となりました。


このことにより朝食と5000兆円の関係性は極めて薄いことが判明しました。ゼロではないにせよ、朝ごはんの力だけでアプリのDL数を伸ばすことは難しいでしょう。

もしもあなたが出勤した際に「朝ごはんおいしかった!」などと大声で話す小学生を見かけたら、それはゲーム開発で成功することとは関係ないんだよと教えてあげてください。

この行動によりおそらく不審者情報として通報され、あなたはポリスメンの力を借りて有名になれるかもしれません。自称ゲーム開発者として有名になりたいと思っているなら、この方法は唯一にして絶対の「夢がかなう方法」です。ぜひ活用していただきたい。


二つ目の検証:妖精さんや小人さんがゲームを作ってくれれば遊んで暮らせる??

一つ目の検証で話したように、ここ一年間は仕事が忙しかったり趣味に走ったりぼーっとしたり日々のストレスを和らげるために雲が流れるのを眺めながらタンポポに頭突きしたらどうなるんだろう向こうも明らかにヘッドバットの体制だよね負けてらんねぇとか考えたりしました。

要するに「眠っている間に妖精さんが私の代わりにゲームを作っていてくれたらすごく嬉しいなぁ」と思っていました。そのため私はあえてゲームを完成させずにいました。あえてね。


しかし現実は残酷なもので、ついぞ妖精さんのたぐいがゲームを作っていてくれることはありませんでした。下戸なのでその存在すら確認できませんでした。

その結果わたしは自分の食い扶持を自分でなんとかしなければならず、日々の仕事に追われてしまい、遊んで暮らすという目標を達成することができませんでした。


妖精さんが現れなかったせいで遊んで暮らすことができなかった…。

つまり「妖精さんが現れていたら遊んで暮らすことができていた」ということが証明されてしまいました。算数が得意な方々はこの結果に異を唱えるかもしれませんが、それは Brain miso flower field が足りないと言わざるを得ません。どうかご了承願います。

3年前のツイート。以前はこんなに情熱があったのに今や妖精さんがどうのとか言っているのを見ると、もしかして人間になった夢を見ている微生物か何かなんじゃないかと思ってしまいます。


ここまで大変有用な検証をふたつも紹介してきましたが、同じようなギャグを3回も繰り返すのはぼっちタイプのポケモンだけ。このあたりで真面目な検証もやっておくことにしましょう。心臓にグサッと来るやつを。


三つ目の検証:息を吸うようにゲームを作れば1億万円稼げる??

そんなことはどうでもいいのですが、まず間違いないのはゲームを完成させないと1億万円を稼ぐことはできないということです。真理です。この話もう終わりでいいですか?


ところで、わたしはこの一年間ゲームを完成させることはできなかったわけですが、お蔵入りになった開発途中のゲームはそこそこあります。リリース直前までいったものも。

それらがなぜエターナルしてしまったのかというと、単にゴミカスタイプの完璧主義者だからです。よく考えたら面白くないなとか、なんかリリースしても意味なさそう、というだけで直前でやめてしまいました。


こういった悩みは多くの個人ゲーム開発者が抱えるところだと思います。途中で飽きてしまったとか、”このゲーム本当に面白いのだろうか病”にかかって開発を途中で止めてしまったりとか。

そんな動きを繰り返してようやくたどり着くのが「企画はめっちゃ重要」という事だと思います。めっちゃ重要な企画ができるかどうかは別として。大抵うまくいきません。つらい。


そしてもうひとつ大切なこと、「手を動かさないと完成しない」ということにも気が付きます。ゲームが完成しないとスタートラインに立てないのに、ゲームが完成しない。一体なぜ??

それは手を動かしてないからです!!よく気が付きましたね。天才か?

途中で開発を止めてしまうだけではなく、時間はあるのに手を動かさないという悪魔の所業。なんか今日は疲れちゃったから寝よう!とか、ちょっとだけゲームしよう!とかそういう。明日できることは明日やろう!


そんな風に思ってしまうのはもうしょうがないので諦めましょう。眠くても疲れててもゲーム作れ!となってしまうとただのブラック企業です。ゲーム制作にこだわりすぎるあまり、他のすべてを疎かにしてしまうのはまじでクソダサムーブなのでやめましょう。人生も詰んじゃう。

で、で、でも!!
隣のあいつは息を吸うようにゲームを作ってる!!!
ぼくもわたしも同じようにしないと追い付けない!!!!!

お、おちつけ、息をよく吸って吐いて……そう……その調子………。

酸素を手に入れて冷静になりましたか?じゃあそのまったく足りてなさそうな Brain miso flower field をフル回転させてよく考えてください。

あのですね、隣の人の真似をしても意味ないんですよ。

えっ!? なぜですか!??

それはですね、あなたが作っているものはただのゴミで、隣の人が作っているものは1億万DLされる神ゲーだからです。あなたが寝ないでゲームを作っても、出来上がるのは5DLされるくらいのゲームっぽい何かです。

そんな…そんなことって…。い、いや、そんな気がしてきたぞ…。確かにこれが完成しても、せいぜい5ダウンロードされるくらいのゴミができるだけかも…。

しかし、そんなあなたでも1億万DLされるゲームを作る方法があります。

えっ!!本当ですか!?それはいったい……!?

ズバリ、新しいゲームを作ることです。

新しいゲーム!?でも、いま(ダラダラと)作ってるゲームもあります!これが完成してからの方が良いのでは…。

そのゴミは捨ておきましょう。フォルダごと今すぐ犬に食わせてください。あのですね、あなたさっき自分のゲームがゴミかもって思いましたよね??

い、いやそれはもののたとえで…ちょっと頭をよぎっただけで…。完成すればそこそこDLされるかも…。

はっきり言いましょう。1億万DLされるゲームというのは、もしかしてゴミかも…なんて思わないんですよ。神ゲー思いついた!って企画を立ててから、完成するまでずっと神ゲーだと思えるゲームだけが1億万円稼げるんです。DLされないかも…なんて思った時点でDLされないんです。

ち、違う…!これはゴミなんかじゃ……うう……。

それに、そんなに長いこと触れているプロジェクトにもそろそろ飽きてきたでしょう?新しいゲームを作りたくありませんか?

つ…つくりたい……いや…でも…まずは完成させないと……。

いったん寝かせておいて後でまた制作の続きをすればいいじゃないですか。自分の心に素直になることです。新しいゲームの企画を立てるの、すっごく楽しいですよ…?

ハァ…ハァ……新しいゲーム……作りたい……!!

隣のあの人は毎日ゲームを作っています。それに比べてあなたは手が止まっている。でも新しいゲームを今から作るとなれば、手が動くと思いませんか?息を吸うようにゲームを作るチャンスですよ…?

ウォォォォォ新しいゲーム!!!!
新しいゲーム作る!!!
オレ、ゲーム、ツクル!!!!!!



もはや検証でも何でもありません。なんということでしょう。疲れ切った読者の脳みそが、匠の言葉によってますますボロボロに。

この記事のタイトルをみただけで「英語だ!怖い!」とか、「自分には関係ない記事だ!」と思ってしまう引きこもりタイプの人間もいたはず。安心してください。正解です。こんなタイトルの記事をわざわざ読むのはそこらの虫とか魚介類くらいのものでしょう。


というわけで虫や魚のみなさん。手を動かしましょう。私たちに必要なのは、おそらくそれだけです。手を動かさないことには弾が作れない。弾がないと一億万円の的当てには参加できません。

やる気がなくなったら新しいゲームを作りましょう。いま作っているものはその辺に置いておきましょう。あとでまたやる気が出るかもしれません。(多分出ない)


企画の時点ですでに成功か失敗か分かる、というのは天才の話です。凡人の我々はある程度ゲームが形にならないと楽しいかどうかわかりません。ということに最近気が付きました。

それなら愚直に新しくゲームを作りまくって、当たりを引くまで手を動かせばよい。新しいゲーム作るの楽しい。同じゲーム作るの飽きる。この現象、私だけだったらすみません。
※継続力のあるクリエイターさんは多分こんな記事見てないので大丈夫です。もし見ててもちゃんと完成する天才タイプなので大丈夫です。大丈夫。


というわけで結論です。息を吸うようにゲームを作れば1億万円稼げます!息を吸うようにゲームを作るためには息を吸うようにゲームを作ります!!おぼろげながら見えてきましたね…1億万円という数字が。

あとは疲れてるときはちゃんと寝たり、ゲームしてストレス解消したりすればいいんじゃないでしょうか。そうして制作に飽きてきてもぐっとこらえて制作を続ければ完璧だと思います。

無事あたまが破壊されたみたいでなによりです。

たとえ作ったものが残飯みたいなものだとしても、その経験は次のゲーム制作に活かせますし、失敗は成功の基です。どんどん失敗して自分のレベルをカンストさせましょう。1億万DLが先か、棺桶が先か。



おわりに

去年の今頃、そういえば私は自分で作曲できるようになりたいな~って思っていた気がします。初心者向けの教本も買いました。15ページくらい読んだあと、気が付いたら埃をかぶっていました。

おととしの今頃、そういえば絵が上手くなりたいな~って思っていた気がします。毎日ちょっとでも絵を描けばうまくなるかも!って思ってペンタブを買いました。気が付いたら埃をかぶっていました。

3年前の今頃、そういえばゲームが作れるようになりたいな~って思っていた気がします。UnityをDLして初心者向けの教本を買いました。今でも週に一回以上Unityを開いています。


息を吸うようにとまでいかなくとも、週に一回、月に一回、半年に一度でもゲームを作りたくなる衝動。それさえあれば1億万DLなんてあっという間です。くじけぬ心で今日も手を動かしていきましょう!

とりあえず今日は眠いから寝ましょう。妖精さん、続きやっといて!



おしまい。

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