経済対策の規模が膨らみすぎてないか(社説)
2020/12/9 日本経済新聞朝刊
政府が事業規模73兆円超の追加経済対策を策定した。コロナの封じ込めや景気回復の後押しといった当面の施策だけでなく、経済構造の転換や防災・減災などの中長期的な施策も盛り込んだ。
財政出動の必要性に異論はないが、規模が膨らみすぎていないだろうか。これまでに実施してきた経済対策の使途や効果を十分に検証しないまま、支出の積み増しに走った印象が拭えない。
コロナ禍のさなかでも財政の規律や節度は保つ必要がある。競うべきは「賢い支出」であって、経済対策の規模ではない。
コロナウイルス感染拡大という未曾有の事態において対策はすごく難しい。今なお、外出自粛すべきという医療よりの意見もあり、自粛なんていらないという経済よりの意見もある。
そのなかで政府の財政支出は必須である。中途半端にやればリーマンショックの後のような不況になる可能性もある。私は今回の予算は多すぎることはないと思う。
この状況で不況になるのは絶対に避けなければならない。デフレ、円高への警戒感もある。その中で予算の規模が大きすぎるという指摘には賛同できない。
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