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高田崇史QEDシリーズ『源氏の神霊』
城砦図鑑の欠点は、
①写真だと細部が分かりにくい。(イラストの方が分かりやすい。)
②解説文がお堅い。
という欠点があり、これらの欠点がないのが『東京城址女子高生』です。
神社図鑑にも同じことが言えます。高田崇史QEDシリーズは、殺人事件の犯人を追っていくと、日本の神々の謎が解ける推理小説です。(正確には、日本の神々の謎を解こうとすると、殺人の動機と手口が分かってしまう推理小説です。)
★『源氏の神霊』目次
平等院の虚空
宇治川の波風
瀬田川の烽火
御裳川の濁水
水天宮の霊地
『源氏の神霊』は、タイトルに「神霊」とありますが、今回の話は、「日本の神々の話」というより「源頼政の話」であり、『源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義』と併せて読むと、源平合戦の本質が分かります。(『古事記異聞』の主人公・橘樹雅が登場する「瀬田川の烽火」は『試験に出ないQED異聞』の「木曽殿最期」と同じです。)
源頼光─頼国┬頼綱(五男)─仲政(次男)─頼政【摂津源氏】
└国房(六男)─光国─土岐光信…明智頼重【土岐明智氏】
└【土岐妻木氏】
※妻木氏:妻木氏の祖=明智氏の祖=土岐頼重とする説や、妻木氏を明智氏の庶流(分家)とする説もある。いずれにせよ、土岐家(美濃源氏(清和源氏流摂津源氏系美濃源氏)の嫡流)とその分家の土岐明智家、土岐妻木家の家紋は「土岐桔梗」である。
★源頼政の悪評
①源氏・義朝たちを見捨てた。
②平氏・清盛に擦り寄って官位を頂いた。
③最後は、その恩ある清盛たち平家を敵に回して戦った。
『源氏の神霊』は、源頼政の悪評について、「なぜそうしたか」という動機を探る「源頼政復権の書」「源頼政へのレクイエム」に仕上がっています。
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