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Reco語り ー『大奥』(第11話=最終話)ー

【重要人物】


               
〔フジ『大奥』〕/〔NHK『べらぼう』〕
・徳川家治           亀梨和也
・正室(御台所)・倫子女王   小芝風花
・側室①:お知保(お千穂)   森川葵
・側室②:お品         西野七瀬
・松島局(大奥総取締)     栗山千明
・高岳(たかおか)       田中道子
・田沼意次           安田顕      渡辺謙
・田沼意知(田沼意次の子)   ?        宮沢氷魚
・佐野政言(田沼意知を殺害)  ?
・松平定信           宮舘涼太
・葉山貞之助(御広敷膳所賄方) 小関裕太
・鱗形屋孫兵衛         ─        片岡愛之助
・蔦屋重三郎          ─        横浜流星
・伝説の遊女・花の井(蔦屋重三郎の幼馴染)      小芝風花
・喜多川歌麿          ─        染谷将太
・写楽             ─
・平賀源内           味方良介

 第10代将軍・徳川家治は、側室を拒否した将軍として知られ、大奥とは最も縁の無い将軍だと言えます。その将軍の時代を描くとは、無謀か???

 徳川家治が側室を拒否した理由は、正室が公家・五十宮倫子(閑院宮直仁親王第六王女・倫子女王。幼名が五十宮)だったので、朝廷に忖度しての事かと思いきや、実は「ラブラブだったから」と伝わっています。フジテレビによれば、今回の『大奥』は、「“愛”をテーマにした『大奥』史上、最も切なくて美しいラブストーリー」だそうです。

──「愛」とは何ぞや?


    平均世帯視聴率  平均個人視聴率
第1話   6.7%      3.9%
第2話   4.7%      2.6%
第3話   5.0%      2.7%
第4話   4.6%      2.7%
第5話   4.2%      2.4%
第6話   4.2%      2.4%
第7話   4.5%      2.4%
第8話   4.5%      2.6%
第9話   5.0%      2.8%
第10話 3.7%      2.0%
第11話 5.4%      3.0%


【解説と感想】

 このドラマは、とにかく史実と異なる。
 唯一の楽しみは、安田顕さんの怪演。見事でした。
 ストーリーは、史実を知らない人であれば、純粋に楽しめたと思います。

【最終話ストーリー】

 浅間山の噴火により江戸が大混乱に陥る中、病に倒れた将軍・徳川家治(亀梨和也)は、蟄居閉門中の田沼意次(安田顕)を呼び、
「わしの代わりに政をまかせたい。勘違いするな。わしは断じてそなたを許さん。しかし、この国の為、力を貸してくれ」
と政治を一任する。早速、田沼意次は、米価が急騰しないよう手を打つ。
次に徳川家治は、御台所(小芝風花)を呼び、
「三つ葉葵のように…」
という謎の言葉を残し、亡くなった。

「時は来た。動き出すとしましょうか」(松平定信)

 松平定信は、旗本・佐野政言に田沼意次の子・田沼意知を殺させる(使用刀は近江守忠綱)が、田沼意次は喪に服すことなく、「上様に託されたから」と政を続けた。庶民は、佐野政言を「世直し」をした佐野大明神として讃えていた。
 松平定信は、三家三卿(水戸徳川家、尾張徳川家、紀伊徳川家の御三家と、田安徳川家、一橋徳川家、清水徳川家の御三卿)の署名を集め、再び田沼意次を失脚させた。

 さて、五十鈴宮倫子のもとへ、猿吉がお品に充てた荷物が届けられる。あけてみると、手紙が入っており、「全て松平定信の指示で行った」とあった。五十鈴宮倫子は、松平定信に直接会い、猿吉の手紙を示すが、松平定信は、
「猿吉──何者でございましょう?」
ととぼけた。五十鈴宮倫子は、
「そなたには天罰が下りましょう」
と言い放つ。

 そんな時、田沼意次が江戸城に火を放ち、燃え盛る火の中で自害した。
 五十鈴宮倫子は、このまま焼かれようと思うが、知保が助けた。そこにお品が来て、徳川家治の大きな嘘を知らせる。徳川家治は、こう言ったという。
「貞次郎を連れて、この城を出て欲しい。御三卿の一橋家の子として育てるのだ。御台は、この書物(注:第2話で登場した南泉が禍の種となる猫を殺した『南泉斬猫』)を読んだ時、『猫を殺さず、増やす』と言ったそうだな。ならばわしは『隠そう』と思う。無用な争いがなくなる、その時まで。いつか平穏を取り戻したその後、貞次郎を皆で育てて欲しい。御台、お品、お知保。徳川家紋の三つ葉葵のように」
お見事な解消! このドラマが放送された3月28日は「三つ葉の日」でした!

 老中首座となって「寛政の改革」(1787-1793)を始める。この改革は批判され、
  白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき
と詠まれた。この狂歌を詠んだのは、徳川家治が設置した学問所で学んだ者だという。また、サツマイモの栽培方法も確立された。
 五十鈴宮倫子ら3人は、御三家、御三卿の署名を集め、松平定信を失脚させる。
「多くの女子たちの声をあなどらないでいただきたい。将軍家を誰よりも近くでお支えし、同じ時を過ごす家族なのですから。そなたには、この城から出て行っていただきます」

 新将軍は、貞次郎改め豊千代こと徳川家斉(鈴木福)となった。
 また、五十鈴宮倫子のお腹には徳川家治の子がおり、徳川家治の意向で「万寿」と名付けた。
 最後はナレーターの浅野ゆう子さんが登場。桜と赤トンボという季節感の無い組み合わせはいかがなものかと。

【感想&解説動画集】


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