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くらくくろく

触れたくて 震えてる声が

 って一節がずうっと頭の中をリフレインするので、ずっと真夜中でいいのに。「暗く黒く」を聞かなければならない気がしている。でもワイヤレスイヤホンが電池切れなので聞けない。

 pixivにて「日本SFクラブの小さな小説コンテスト」通称さなコンが幕を開けて、絶筆中、否ちょっと筆休め中の私はどうしようかなと思っている。相も変わらず何も考えることができないし、さなコンの開示情報を読めなくてフォロワーさんに箇条書きにまとめてもらうなどした。本当は参加するつもり満々で、「紫陽凛」名義のアカウントまで作成して待っていたというのに、このありさまだ。

 でも本は読めた。メールは返信できる。noteは書ける。どうやら普通の箇所もあるのだけど、どこか、なんらかの機能が低下しているみたい。説明文を読み下す能力とかだろうか。よくわからない。今私は多分、説明書の類が読めなくなっている。
 一時間もかけずにダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」の半分を読み、チャーリィの卓越した(としかいいようのない)後天的才能の前にひれ伏した。白ネズミのアルジャーノンはまだどう絡んでくるのかわからない。ともあれチャーリィは後天的に得たもののために今までの生活を続けていくことはできない、困難であるということが示された。この作品はチャーリィの手記の形をとっている。これが読書体験として鮮烈この上ないのだが、これは読んだ人だけの特権。

 小さく頭痛がしたため、夢中で読んでいたのを切り上げたのだけれど、その頭痛がまだ続いていて、ちょっとずつ私のタイピングの手を妨げていく。いつもよりゆっくり出力される私の頭の中身は、普段よりもなんだかもったりしていて冴えない。いつもと変わらないよ、と思われる人も居るかもしれないけれど。それならいいのだ。おそらくそれは私の目に映る世界が灰色なだけだから。

 鈍っていないなら嬉しい。元から冴えてない可能性は、無視。


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