目的と目標の違い
「目標としていた大学に合格した!」
「このチームの目標は日本一になる事だ!」
という言葉をよく耳にしますが、目的と目標は似ているものではありますが、全く違う違うものです。
ちなみに広辞苑によると以下と定義されています。
目的・・・成し遂げようと目指す事柄。行為の目指すところ。意図している事柄。
目標・・・目的を達成するために設けた、めあて。
つまり、目標は目的を達成するための「手段」であり、「的(ゴール)」にむかうための「標(しるべ)」という事になります。
目的が目標の上位概念であり、人生を山登りで例えると頂上が目的だとしたら、人生の目標は通過点という事になります。
これは当たり前の考え方のように聞こえますが、特にスポーツ場面やキャリアにおいて、この目的と目標を破棄違いしてしまうと々な弊害が生じてきます。
●何のためにスポーツをするのか?
「人生の目標は通過点。」そう言われると、「いやいや俺は甲子園という目標に向かってすべてを投げ出してきたんだ!」とか「プロサッカー選手になるという目標が自分の全てだ!」と思うアスリートもいるかと思います。
そのように思うのは素晴らしい事であり、自分の人生を目の前の目標に向かって注力をしている証拠でもあります。しかし、その時に、「何のためにあなたはその目標を達成したいのですか?」と聞かれると何と答えるでしょうか?
その時に出てくるのが目標を支える「目的」になります。
「お世話になった人達に恩返しをしたい」という心や、「プロサッカー選手になって親孝行したい」などといったモチベーションの源がきっとあるはずです。そのモチベーションの源を忘れず、言語化して、自分の判断軸とゴールとして生きていく。それがまさに「目的」になります。
つまり、単に甲子園に行きたいのではなく、「甲子園に行って(目標)お世話になった人達に恩返しをして感謝を体現したい(目的)」という事や、単にプロサッカー選手になるのではなく、「プロサッカー選手になって(目標)今まで苦労をかけてきた両親に親孝行をしたい(目的)」という目的に向かって目の前の目標を達成しようとしているのです。
また弊社のコンサルティングのフレームワークでは、「目的」をさらに細分化して「理念」と「ビジョン」に分けてお伝えしております。
大切なのはこの目的から一貫した目標達成をする事が大事であり、目的を明確にするからこそ目の前の目標を達成する意義づけ意味づけが強く、深くなるのです。
私達はこの目的から一貫したキャリア開発を甲子園常連校でもある岩手県の花巻東高校に提供しております。
高校時代にイップスになり、目的を見失ってしまった私から見ると素晴らしい高校教育を実践されていると感じます。
競技スポーツを行う以上、勝利を目指す事は当たり前でありますが、勝利だけを絶対的な物事の判断とする価値観からくる「勝利至上主義」という考え方がスポーツには蔓延っています。これは長年蔓延ってきた考えですが、昨年は様々な「不祥事」という結果で膿が出る流れになりました。
勝つためには手段を選ばず何をしても良い「勝利至上主義」からこのような様々な不祥事が生じてきたかと思います。これもすべて指導者、選手共に目的を見失ってしまった結果であると感じます。
「あなたは本当は何のためにスポーツをしておりますか?」
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