見出し画像

忽那の雫第94話 潜り釣りで負傷した少年時代

みなさんはドンコってわかりますかね。
わたしが小さい頃は、小さなハゼの仲間なんかをなんでもドンコと呼んでました。

今はだいぶん見かけなくなりましたが、昔は海辺で石を裏返すと必ず数匹のドンコが出てきて、それを空缶にためて、うちへ持って帰って飼ったりしてました。^ - ^

その頃は、わたしの周りで気の利いたペットを飼ってる者はいなくて、ふつうの家の子供らは自然の生き物を捕らえて持ち帰り、親に怒られながら飼っていたんです。

まあドンコを持ち帰ってはいましたが、食べたりはしてませんでした。

これらのドンコは、漁港などの波止の継ぎ目の隙間なんかにも生息していて、水中メガネをつけて海に潜ると必ず波止のスキマを覗くのが、わたしが子供のころからやってる自然な作業でした。←作業って(・∀・)

そういったスキマにはサザエやアワビなどもよくくっ付いていて、我が家の夕食をかざることも少なくなく、遊んでいるのか漁をしているのか、自分でもわからなくなっていました。(°▽°)

ある時わたしは、仲間と潜っていて、一ヶ所に異常なくらいドンコが居るスキマを見つけたんです。^o^

わたしはひらめきました( ◠‿◠ )
よーし、コイツらを潜って釣ろう!と。

仲間に提案すると、みんな乗ってきました。
むかしから自信過剰なわたしは、手本見してやるからよーく見とけよとえらそーなことを言って、その辺に落ちてる錆びた釣り針と、グシャグシャに捨てられた糸を切っては結び繋ぎ合わせました。

ナマリがわりに錆びてひん曲がったクギを付け、水際にくっついてる小さな貝を石でつぶして身を取り出してハリにつけました。

これを持って潜るんじゃと、わたしはジワリと海に浸かり、思い切り息を吸い込んで、3メートルほどの海底まで潜り、素早くドンコのいる前に仕掛けを垂らしました。

こいつらには警戒心がないのか、エサを見つけたドンコは速攻でたくさん集まって来ました。( ̄▽ ̄)

集まったドンコたちは、我先にとエサに食いつくのですが、ハリの先が錆びてなまっているのか、なかなか掛かりません。

早く食え!
しっかり食え!と願いましたが、残念ながら息がもう限界でした。( ̄∀ ̄)

わたしは海底を思い切り蹴り、海面を目指したんですが、途中太もものあたりを波止の角にチョイと当ててしまったような感じがしたんです。^ - ^

それでも何とか死なずに海面へ顔を出したわたしは、いったん海から上がったのですが、友達の一人がわたしの足を見てヒェー!
悲鳴をあげたんです。ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

わたしもすぐに自分の下半身を見てヒャ〜!
下半身が血まみれになってるんです。
思わずわたしは、き、きゅ、救急車呼んでくれーって叫んでました。^ - ^

たぶん波止の角に付いていたカキか何かが当たったんでしょう。
キズの深さを見ようと、友達の一人が海水をかけたら、思ったほど深くはなく、ホッとしたのを覚えていますが、帰ってから母に、このお調子モンがと怒鳴られましたよ。

わたしの太ももには、人の目のような形の4センチくらいのキズが今も残っています、ヒヒッ(o^^o)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?