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取材がうまくいかず、悔しい

僕は毎号、カラー4ページの連載を担当している。気になるお店に突撃して、店長さんの話を聞き、文章と写真で紹介するというものだ。

先週、その取材に行った。印刷所が運営するおしゃれな店。特殊な紙と印刷技法を使った文房具を売っていた。

取材の前は、質問事項を10個ほど考えておく。取材の時に順序よく、慌てずに進めるためだ。

しかし当然、質問事項通りに進まないこともある。意外とあっさり返されてしまい、それ以上広げようがなくなるのだ。今回は久しぶりにその状況になった。

原因が2つある。1つ。こちらの知識不足。質問が浅いのだ。僕は2年半、今の会社で業界誌の記者をしている。しかし全くの素人の状態で入社したので、わからないことの方がまだ断然多い。今回取材した店の商品は、僕の会社の雑誌とは少し遠い。その方が読者にとっても新鮮で勉強になるため、ネタとしてはいい。しかし問題は、取材する人間が本当にそれを書けるかという点にある。

2つ目。相手の性格が冷たい。こちらが質問しても「いや、違います」とか「どういう意味ですか?」と、真顔で、高圧的に聞いてくる。これをされると、こっちは怯む。こちらの知識不足があれば、尚更だ。

もちろん、僕に知識があり、相手が気持ちよくなるようなピンポイントな質問を投げ続ければ、相手も「こいつ分かってるな」となる。しかし、相手の性格が穏やかで、陽気で、強力的で、笑顔いっぱいなら、こっちも「いや、僕ここ正直全然わからないんですけど、どういうことなんですか?」と聞くことだってできる。一問一答ではなく、全ての会話が記事になるような取材が望ましい。

僕が今回の取材で一番後悔しているのが、「こっちが自信を持って質問を打ち込み、相手の人柄を逆に利用する」ことができなかった点だ。今回の相手は、冷たかった。しかし

仕事に対して情熱を持っていた。そして逆張り型

だった。この逆張り型という点を、もっと利用し、つつくべきだった! つまり、相手があえて逆上するような質問をしてやるべきだったのだ。こういう逆張り型に舐められる理由は、こちらが知識がないことを、隠そうとしているのがバレることだ。僕はもっと「知識がないこと」を開き直るべきだった。「いや、僕全然わかんないんで、これを機に教えてくださいよ」と。この方が相手にとっても「まあ、素直なだけマシだな」となったはずだ。逆張り型なら、きっとそうなるだろう。知識で対等に行こうとした僕の見栄が、ダサかった。

次にこういう相手にあたれば、取材に入る前、名刺を交換したあたりで先に弱みを全部晒すべきだ。「すみません、不勉強なもので、たくさん聞くと思います!」と。もっと新人記者らしく行こう。

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