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飲み屋のこんなとこが好き

好きって気持ちを大事にしたい。
好きだから飲みに行くし、好きだから、そのことを発信する。
飲み屋さんのどんなところが好きか、一度文字におこしてみるのも良いかなと思い、noteを使ってみます。

老舗はタイムカプセル

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創業50年をこえる飲食店は減ったとはいえまだまだ身近にあります。暖簾の向こうには、そのお店の歴史の分だけつまった人々の生活や文化が色濃く残されています。文献や映像などでみるその時代の知識よりも、遥かに情報量が多いものがお店の中にはつまっています。

なんたって文献と違い食べることができるのはすごいこと。あべのの明治屋や根岸の鍵屋で、変わらず続く煮奴などのおつまみを肴にお燗酒を飲めば、過ぎ去った時代に思いを馳せることができます。それも、特別な日ではなく、例えば今日思い立ってお店に向かっても、そこには店の歴史の分だけ昔の時代の食事が待っています。

いまは減少傾向にある小上がりは、昔の飲食店の姿を知るもののひとつです。赤羽の「まるよし」は今でこそリニューアルして小上がりは廃止されましたが、昔は小さな4人テーブルが数卓ありました。本当にここに4人も入れるの?というテーブルもまた、昭和20年代のつくりを色濃く残していました。

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長く使い続けてきたものには神が宿ると言われます。酒場のカウンターにはそんな付喪神がいてもおかしくないような立派なものがたくさんあります。いまはもうこんな建築ができる大工さんはいなくて…なんて話も聞く、立派な一枚板。そこを何十年もかけて、通い続けたお客さんたちが手をおいて、少しずつカウンターの角がいびつに丸くなっていきます。そんな、角のとれたカウンターに、そのお店で笑い楽しんできた多くの人々を想起し、「いいなぁー」って思います。

飲み屋で旬を知る

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都市部で暮らしていると季節の変化は暦や気温などでしか感じられませんが、海鮮を得意とする飲み屋さんには季節感があるところが多いです。春の桜えびにさわら、カツオ、稚鮎と続き、鱧にサンマにタチウオ、ハタ…と並ぶ食材に季節を感じます。

飲み屋さんの黒板は、市場の顔ぶれが反映されていて、市場の顔ぶれは、各地の漁港の様子が反映されています。そう考えると、飲みに行くのがもっともっと好きになります。

夏の鱧と、秋の松茸が重なるタイミングを狙って「土瓶蒸し」を頼むとか、そんな楽しみ方も好き。

人が好き。仕事と家庭と飲み屋さん

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生活する上で大きく存在する2つのコミュニティ。仕事関係の付き合いと、家庭の付き合い。この2つの間にクッションのようにはいり、人生をちょっぴり豊かにしてくれるのが飲み屋さん。

いつもいくお店の方との会話や、常連さんとの近すぎず遠すぎずの付き合いは、素の自分でいられる時間だと思います。

神田の藤田酒店でよく飲んでいますが、ここで繰り広げられるのんびりとしてゆるっとした時間が好き。角打ちなので新しいお酒の知識や新商品の飲み比べなどでも盛り上がりますが、一番楽しいのは、何気ない会話です。そこにいけば誰か居て、なんとなく会話ができる。愚痴を言うのではなく、最近どうですか?くらいの会話が丁度いいです。

すぐに行ける、身近な非日常

焼き鳥屋、大衆割烹、煮込み屋、魚串屋、JAZZが流れる立ち飲みなど、そこにあるのは、普段の生活では交差することのない世界があります。それぞれの専門家が提供してくれる楽しい時間がそこには流れています。

「今日はどんな空間に行こうかな」って悩ませてくれますし、悩む時間がとっても楽しいです。こんな身近な非日常、好きになるに決まっているじゃないですか。

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