飲み屋のみつけかた
居酒屋を探し歩くことが仕事のひとつです。
ときには入りにく居酒屋に出会うこともあります。年中飲み歩いているので「慣れているでしょう?」と思われるかもしれませんが、これが正直、ビクビクしています。
近年の取材は、事前にビール会社さんや酒販店さん、商工会議所など、様々な方に事前に情報を聞いていくことが多いです。それでも、まだ、心配は心配です。
訪ねたお店で記事にできる率は、肌感覚で4割ほど。
入るときに追い返されるのではないかとか、アウェー感が怖いなど、そういう心配だけでなく、このお店は記事として皆さんに紹介できるかどうかも、不安材料の一つとして抱えています。
みつけかた
よく、どうやったら飛び込みで良い居酒屋を見分けられるかと尋ねられます。それは、ビールメーカーの若手の営業さんからも質問されたことがあるほど。
これがなかなか難しいのです。
手入れ・掃除がされているか
暖簾や扉が古くても手入れがされている、というのがひとつ大きなポイント。店先に神経をつかっていると、きっと自慢の食材があるのだろうなと期待が持てるものです。たとえ古い暖簾がヘタっていても、ちゃんと清潔にしているかどうかが大事です。
また、世界一周フェリーや探偵のポスターも、店先にあるのはむむーってなるものです。
業界のコンサル的には、店先にゴミを置いているお店は良くないそうですが、ゴミばかりはゴミ出しルール等で個人店ではどうしようもない場合もあり、難しいところ。
そして、これが一番大きいかもしれません。
店先に清涼飲料水の自販機を置いていない
自販機の収入も期待しなくては成り立たないのでは?と勘ぐってしまいます。また、そういうお店にはいって、うむむ・・・と思ったことが何度もあります。
店の外までにぎやかだとよいのか?
これもまた難しいのです。にぎやかだし、良さそうだな―と入ってみると、一升瓶の有名銘柄の焼酎をキープしたお父さんたちが美人系女将と盛り上がっていたりします。20時をすぎると、カウンターにデンモク(カラオケの選曲リモコン)が置かれたりして。
でも、本当はそれで決められない
たとえば、大宮のいづみやには店先にポッカサッポロの自販機があります。あんなに繁盛する人気店なのに。店先にエアコンの室外機が唸っていても、評判のお店はいくらでもあります。
やっぱり、最後は入ってみるしかないのかも。
ビール好きには
特定の銘柄が好きな人は、店先に置かれたビールケース、通称P函や、樽から選ぶのがおすすめ。ちなみに、ビールケースは4社で色が違い、クリーム色はアサヒ、黄色がキリン、赤がサッポロ、緑がサントリーです。樽はそのまま社名が入っています。
ネットの情報は?
一番便利なのはグーグルマップ。地方だととくにコメント数で大手口コミサイトを抜いています。ただ、レビューはそれぞれなので、役立てたいのは、お店の写真です。外観についてはこれまでご紹介した情報に照らし合わせられますし、料理の内容もある程度は想像がつきます。
老舗がみつかれば、なおよしです。
ただ、グーグルマップの検索は、ニッチな単語でしか表示されない店舗があったりと、よく探さないと見逃すことも。出張などで遠出をするときは、口コミサイトでざっくり「こんな感じの店がある」を見た上で、グーグルマップで業態一覧を開くようにしています。お店が密集していれば、店先まで見に行けばだいたい「いいかな、どうかな」の判断ができます。星の数だけで判断は絶対にしません。
結局は
最後は勘で入るしかありません。でも、暖簾をくぐって、扉の持ち手にてをかけたら、だいたいわかる気がします。わぁ、これは良さそうって。たぶん、近づくとニオイがわかるからだと思います。油の状態や、空気の入れ替わりからお客さんの出入りの具合など、感じるものです。
結局は、いろんなお店をみて、自分の中に蓄積したある意味ビッグデータから、「この店構えでこのニオイ、この暖簾は…」とそんな判断なのかもしれません。
ハイリカタ
これは地方に多いのですが、入ると「知らないお客さん=飲まないお客さん」と思われぎみ。「うちは居酒屋ですけど?」と聞かれることも少なくありません。
入ったときに、どんなふうに、どんな席で、何をどんなタイミングで頼むか、ある程度、いいバランスがみえてきた気がします。
ここから先は
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?