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出雲霞という存在

Vtuberという文化

YoutuberというYoutubeに動画を投稿して収益を得るという人が当たり前に世間に理解されるようになった頃、アバターと呼ばれる二次元キャラクターのガワを被ったVirtual Youtuber、通称Vtuberが登場した。

企業に所属する者や個人で活動している者もいる中で、Vtuberの事務所ができた。その一つに「いちから」と呼ばれる企業とそのグループである「にじさんじ」は、多種多様なVtuberがいる。にじさんじのVtuberはバーチャルライバー、通称ライバーと呼ばれる。そのにじさんじに、既に卒業してしまった「出雲霞」というライバーがいた。

RP

RPとは、RPGのRPと同じ、ロールプレイの略である。ライバーがそのアバターに設定を持たせて、そのキャラクター自身が配信を行う体の活動方法である。
多くのライバーがある程度の(アバターとしての)設定はあるものの、そこにストーリーが乗ることは少ない。そうではなく、しっかりとストーリーがあり、普段の配信にもそれを織り交ぜるライバーをRP勢と呼んでいて、にじさんじにも数人いる。

出雲霞のすごさ

出雲霞も学習型AIとして設定があり、実はその設定の裏にはあるプロジェクトが絡んでいるというストーリーがあり、視聴者も普段の出雲霞の配信を視聴しながらも、ストーリーの行く末を見守っていた。
そんな中で、卒業発表後、最後にあとがきのように、(キャラクターに対して声優を中の人と呼ぶように)いわゆる魂としての「出雲霞」から、その出雲霞の活動のネタバレが行われた。
出雲霞の物語は、フィクションのストーリーではなく、魂としての出雲霞の経験をもとに作られているという、ある意味でノンフィクションに近いものであるということである。つまり、RPのようでRPではない、いわばVtuberの存在そのものをまさに示したものが出雲霞であった。

Vtuberはキャラクターなのか、アバターなのか

Vtuberはアバターというガワを被った配信者が多く、近年では従来のゲーム実況者がアイコンではなくアバターが付与されただけで、Youtuberではないと言われている中で、RP勢のようなキャラクターとして配信活動を行うようなVtuberがおり、加えて出雲霞のような人生の写し絵的なある意味で魂をアバターに投影するようなVtuberがいる。おめがシスターズの出産報告など、Vtuberが多様化している中で、改めてVtuberの個性とそのすごさを感じた。

声帯を変えたときのファンの反応

ある時、出雲霞は声を変えた。AIなのでアップデートという文言でそれまでの低めな声から、高めな声に変えたのだ。その時にファンは苦言を呈した。
私たちファンにとって、Vtuberとはなんなのだろうか。声が変わっても魂は変わっていない。魂が変わってもガワは変わっていない。私たちがみているVtuberとは何を見ているのだろうか。
多分多くのファンも理解していないのではないだろうか。

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