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個人ゲーム開発者が会社に入るメリット・デメリット

現在、私はゲーム会社で仕事をしながら、趣味でもゲームを作っています。会社に入る前からも趣味でゲームを作って、自作ゲームを雑誌に投稿していたりしました。
その経験を踏まえて、個人ゲーム開発者が、ゲーム会社に就職するメリットとデメリットをまとめたいと思います。

■ゲーム会社に就職するメリット

私が考えるメリットは以下の通りです。

1. 毎月一定の収入が得られる
2. コミュニケーション能力が上がる
3. 未知の分野、苦手な分野のスキルが上がる

1については当たり前かもしれませんが、最も重要なポイントかもしれません。会社に就職すると、毎月給料が貰えるので安定した収入源となります。個人で開発されている方の話を聞くと、不安定な収入に悩まされることが多いみたいですので、やはり固定の収入は魅力的だと思います。

2について、会社で作るゲームは、ほとんどがチーム開発なので、色々な人と話したり、仕様について調整するためのコミュニケーションスキルが上がります。

3は、個人で開発していると、苦手な分野を避けたり、そもそも興味がなかったり、単に知らなくて手を出さないことがあるのですが、仕事でやると色々なスキルが求められ、それに応じないといけない場合が多々あります。また、他の人が書いたコードを読んで色々な書き方を理解したり、会社に独自のゲームエンジンがあると、その仕組みを理解することはとても勉強になります。

私も仕事で会話主体のアドベンチャーゲームに関わってアドベンチャーゲームのエンジンの作り方を学んだり、大手のRPGの続編に関わることでデータ管理の手法や、あると便利なデバッグ機能の存在を知ったりしました。

■ゲーム会社に入るデメリット

デメリットはおそらく以下の通りです。

1. 個人でゲームを作る時間が取れなくなる
2. 個人開発との違いに戸惑う
3. 安定収入を得られることでハングリー精神がなくなる

まず1については、仕事を始めると自由な時間がかなり取れなくなり、特に繁忙期には残業や休日出勤など、拘束される時間が多くなりがちです。

次に、仕事で作るゲームは、個人でゲームを作るよりも融通がきかないことが多いです。まず、自分の作りたいゲームを作ることはできませんし、担当する作業も全体の一部分であるためセクション間の調整作業に時間を取られ、思い通りに物事を動かすことがかなり難しいです。
個人開発と比べて決定までの手続きが長く、開発速度がゆっくりになりがちです。
また、メリット「2. コミュニケーション能力が上がる」の裏返しとして、会社に入ると稀にコミュニケーションがまともに取れない (些細なことでキレやすい、話が通じない、という意味です) 人がいて、そういう人とのコミュニケーションは精神的にキツイものがあったりします。タフな精神で付き合うことができれば良いのですが、本当にどうしようもない場合は、その人にあまり関わらないようにするのが良さそうです。

あと、会社に勤めていて何よりも問題なのが、安定した収入が得られるため、個人でゲームを作ることへの関心がどんどん低くなりがちです。特に長期のプロジェクトに関わると、延々と狭い範囲での同じ作業を繰り返すことになり、独自のゲームを作ろう、というモチベーションを保つことが難しくなっていきます。

■まとめ

もし、現在は個人開発しているけれども、ゲーム会社に就職を考えている場合は、これらのメリット・デメリットを考えて選んだ方が良いかもしれません。

あと私の主観が大いに入っているので、あくまで参考程度にしてもらえればと思います。

◾️実際に独立した方によるまとめ

ネットサーフィンしていたら、実際に独立した人による情報がまとめられていました。
この方によると、メリットは「時間が自由に使える」「嫌な人に我慢して付き合う必要がない」「企画や販売など開発以外の知識が一通り身につく」そしてなによりも「好きなことで食べていける」だそうです。
逆にデメリットとしては、やはり収入面のことを書かれていました。ちゃんとした収入をえるまでには7〜8年かかったのことです。個人開発で食べていくには、相当な忍耐力がひつようになりそう……。そして基本は一人で開発することになるので、人との関わりが減っていき、孤独を感じやすくなるとのことです。

◾️関連する記事

プログラムを始めてから、ゲーム会社に入るまでの私の経歴をまとめました。ゲームの開発力を身につけるために、会社へ入って経験を積むのというのも一つの方法かもしれません。

会社勤めしていると憧れるのが、独立して個人開発者として生活していくことです。
もし個人開発者になるなら、こういうことを考えなければいけないな、ということをまとめてみました。

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