見出し画像

【君たちが子供であるのと同じく:感想】 クリスマスの街並み

こんにちは。年末年始いかがお過ごしですか。
今回は、室木おすしさんの新刊、「君たちが子供であるのと同じく」について、少し語りたいと思います。

室木おすしさんといえば、オモコロっ子なら、特集記事やラジオ「ありっちゃありスパーク」でおなじみですが、自身の子供時代にフォーカスしたノスタルジーな特集が、この度、単行本化されました!めでたい!

https://omocoro.jp/writer/osuship/?category=kiji&sort=

おすしさんのノスタルジー特集は「効く」んですよね、じんわり。

さて、そんな素敵な特集が、書き下ろしも含めて本になるなら、買わないわけにはいきません。
ネットで注文し届いたのが、なんと12月25日のクリスマス当日。しかも今回の書き下ろしは、クリスマスについて、です。これは良い偶然。

子供時代にもつ世界観

書き下ろしで描写されているのは、室木さんが体験したファンタジーとしてのクリスマスが終わった日と、娘さんがはしゃぐクリスマスツリーのお話。
詳細はぜひ読んでいただきたいのですが、室木さんのノスタルジーが好きなのは、室木さんのエピソードと同じような体験をしていなくとも、共感できるからです。
娘さんのお話でも、共通するのは、子供が持っている世界観のお話。
子供が見渡せる小さな範囲の世界に、想像力でデコレーションする感覚は、いつまでも思い出として残っているものです。
私のオトナでアウトローな場所はインターネットだったなぁ……。
そんな子供の世界観が現実と大きく重なるのが、「クリスマス」です。
街は浮かれて、即席のサンタで溢れ、きらびやかさを競うようなツリーや飾りつけが覆うような。
個人的には、プレゼント何貰った、ということよりも、街中へ買物に連れて行ってもらったときのショウウインドウが印象的かもしれません。
家族のマネキンとシンプルなツリーが、子供心にオシャレだったんです。

私が大人になったのと違い

あの懐かしいワクワクに微笑ましく思いながらも、今はだいぶクリスマスに冷めている自分に気づかされます。
私は、室木さんのようなはっきりとしたきっかけは無いと思うのですが、誰しもいつかはサンタさんから卒業するものですよね。
今はケーキのノルマやら、無茶なシフトやら、綺麗ではない部分も知ってしまいました。
それに、今のクリスマスの浮かれ具合って、昔とは違うような気がします。
多様性の時代にあって、老若男女に広く請求できるイベントは少ないのでしょう。ハロウィンが終わったら、もうクリスマスですよ。
それが疎ましく思うことは、あります。
ただ、この本を読んで、クリスマスという日に罪はなく、せめて、子供がのびのびとこの日を楽しんでもらえならと、願います。
あれだけ楽しんだクリスマスなんですから、今から楽しむ子供の邪魔はしたくはないですからね。

懐かしさだけではない、色々な感情、世代に思いを馳せることができる名作だと思います。
「君たちが子供であるのと同じく」ぜひ、年末年始のお供に!

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?