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「適材適職 心の整え方」ぶっちゃけ就活座談会

『ぶっちゃけ就活座談会 #就活ONLINE 』は、新型コロナウイルスの影響で大きく変わってしまった就活の最新情報をお届けしながら、すでに働いている先輩社会人の「ぶっちゃけ就活話」を、LIVE配信にてお送りする番組です。

7月22日(水)の配信では、株式会社cotree/株式会社コーチェット 代表の櫻本真理さんをゲストにお迎えし、「適材適職 心の整え方」をテーマにお話いただきました。

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<出演者>
司会:風間夏実(株式会社エードット 広報)
ゲストコメンテーター:鈴木一史(キャリタス就活 編集長)
ご意見番:ぶっちゃけカタルくん(社会人3年目)

ゲスト:櫻本真理さん 

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Twitter:@marisakura

「人との出会いで自分が浮かび上がっていった」櫻本さんのキャリアと就活。

風間夏実(以下、風間):
今日のテーマは「心の整え方」ですね。
鈴木さん、今回はどのようなお話をしますか?

鈴木一史(以下、鈴木):
はい。就職活動って、自分自身や今まで関わってこなかった他者と向き合っていくことになりますよね。これまでは学校、家族、バイト先など、身近な人と関わっていたのが、就活では企業の人事やOB・OG、経営者、就活で知り合う友達など、否応無しに他者との関わりが増えていく。「他者と関わっていくこと」が、就職活動の始まりといってもおかしくないのかなと捉えています。

この経験は貴重なのですが、ストレスもかかるもの。
そこで今回は、心を整え、健康に就職活動を進めていくヒントをお届けしたいと思います。

ゲストは、オンラインカウンセリング・コーチングサービスを展開する株式会社cotree/株式会社コーチェット 代表の櫻本真理さんにお越しいただきました。

風間:
櫻本さん、よろしくお願いいたします。
さっそくですが、経歴を詳しくお伺いできますか?

櫻本真理さん(以下、櫻本):
よろしくお願いいたします。

大学では心理学を専攻し、2005年に卒業しました。その後、証券会社に就職。株式のアナリストとして、業界や会社の分析をし、株価の予測レポートをつくって、投資家さんにプレゼンしていくといったお仕事をしていました。

証券会社を退職して、いくつかのスタートアップやプロジェクトに関わったあと、2014年に株式会社cotreeというオンラインカウンセリングサービスの会社を立ち上げています。

そして今年の1月にもう1社、株式会社コーチェットという会社を立ち上げています。こちらは経営者をはじめとしたリーダーの方に人と関わることを学んでいただく、リーダーが人と関わるスキルを学ぶためのライザップのような会社です。

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風間:
大学で心理学を学んで、金融業界へと進まれたのには何か理由があるんでしょうか?

櫻本:
絶対的な理由があったわけではないのですが、一つは得意だったというのがあります。
数字を扱うことや分析することに苦手意識がなく、人よりも上手にできていたので、金融業界はありかなと思っていました。

もう一つは、将来的に経営に関わりたいと思っていたので、ビジネスを俯瞰的に見れる金融業界に興味があったから。

……とか、色々言えるんですけど(笑)。実際はインターンなどで出会った方が面白かったり、選考でいい方と出会ってご縁をいただいたりしての積み重ねなんですよね。自分の得意や関心、そして出会いの偶然でここにたどり着いたなと思っています。

ただ、心理学はテストの成績も悪く苦手でした。得意なことを模索した結果、数字やビジネスに行き着いたという経緯はあります。

風間:
就活中は、たくさんご自身を見つめ、自己分析をしっかりされたということですか?

櫻本:
あ〜そうでもないですね。自己分析をしようと思ってしたわけではないです。

ただ、就職活動っていろんな方と出会うじゃないですか。その中で「あぁ、自分はこういうところが人よりも上手に考えられるんだな、関心があるんだな」と気づいていきました。インターンや面接などでいろんな人と話しているうちに、相対的に自分が浮かび上がってくるというか。

自分だけを見つめることはあまりしませんでしたが、人と比べて自分が何が得意なのかはよく考えていましたね。
自分自身のあり方って他人の姿が明らかになって初めて浮かび上がってくるものだと思います。

就活生と親の関わり。「〇〇君はもう内定もらったのに」と言われたら

風間:
続いてのトピックは「親への頼り方」ですね。

鈴木:
就職活動という社会に出る直前の特殊な環境の中で、今までは保護者として関わってきた親御さんが、一人のアドバイザーになっていくことがあると思うんです。

僕たちが取ったアンケートでも、親御さんが就職先を決める過程に関わっているという結果が出ているんですよ。この数字は年々大きくなっているので、親御さんとの関わり方が就職活動を成功させる一つの要因になるのではないかと思います。

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風間:
そこで今回は、実際にあった「就活中の親からの言葉」を取り上げながら、その言葉をどう受け止めたらいいか、どんな言葉を返せばいいか、櫻本さんからアドバイスをいただこうと思います。

ひとつめの言葉は「〇〇君はもう内定もらったのに」です。この一言はメンタルヘルス的にどんな影響があるのでしょうか?

櫻本:
当然ネガティブな影響ですよね。人が頑張れるのは、「自分にはできる」と思えるときじゃないですか。
人と比べてできないところを強調するのは、本当にエネルギーを奪うこと。自己効力感が下がってしまう一言です。これは親のエゴに過ぎないというか、親が子どものためにかけている言葉というより、自分自身の気持ちを誰かに吐き出したくてかけている言葉ですよね。

お母さんお父さんも、お子さんの就職活動の成功をすごく願っている。だからうまくいっている材料がほしくてしょうがないんですよね。それが裏切られたときに、感情を吐露したくてこういう言葉が出てくるわけですけれども、子どものためには一切なっていません。

風間:
なるほど……。ではもし言われたら、就活生はどう受け止めればいいのでしょうか?

櫻本:
大人のスタンスで「お母さんも自分がうまくいくことを願ってくれているんだな。でも、お母さんも人間で未熟なので、しんどい気持ちを私のための言葉に変えられず、吐き出してしまっているんだな」と、見守ってあげる。その上で、「自分は自分だし、自分には自分の良いところがあるから誰がどうとかは関係なく、できることをやっていこう」というスタンスが必要だと思います。

こういう場面って、自分自身が不安定になっているからこそ人の言葉に影響を受けやすいですが、ちょっと冷静になって距離を置き、感情に巻き込まれないようにするのがすごく大事だと思いますね。

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風間:
この番組は就活生の方はもちろん、就活生の親御さんも就活の状況が気になって見ていらっしゃると思います。ご自身のお子さんが内定をもらっておらず不安な気持ちの親御さんは、なんと声をかけたらいいでしょうか?

櫻本:
不安な気持ちのお子さんを安心させてあげる言葉が必要ですよね。焦りや不安でかき立てられても、なかなか前には進んでいきません。安心できる環境があって初めて「できることを頑張ろう」という気持ちになるので、まずは安心を確保してあげる。「何があってもお母さんもお父さんは一緒にいるよ」とか、大きな失敗があったとしても「やり直しがきくんだよ」といったメッセージを伝えてあげることが大事ですよね。

こういった言葉をかけると、安心して頑張らなくなっちゃうんじゃないかと思うかもしれませんが、人間ってそういうものではなくて、安心しないと頑張れないんです。不安でかき立てられるのは長続きしません。最大の味方でいてあげるという意識がすごく大切なんじゃないかなと思います。

鈴木:
就活は周りと比較されることがあるので、僕らもアドバイスを求められたときは、他人と違うからこそ価値があるんだとしっかり伝えていきたいですね。周りの人がどこかの内定をもらっているのは、その人がその会社にフィットしたからで、その人と自分は違うから価値がある。多様性が大事だなと思います。

櫻本:
おっしゃる通りだと思います。弱みの裏には強みが必ずあります。

カタルくん:
「安心しないと人は頑張れない」という言葉がすごくいいですね。会社の壁に勝手に貼っておこうかと思いました。

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一同:
笑い

風間:
ボロボロになってもちゃんと帰ってこれるところがあるんだな、味方がいるんだなって思うと頑張れますよね。

「そんな会社知らない、大丈夫なの?」と言われたら。

風間:
次の一言は「そんな会社知らない、大丈夫なの?」です。ありそうな言葉ですね。

櫻本:
この言葉も、先ほどと一緒で親御さんの不安から出てきていますが、ここには大きく価値観の変化があるはずですよね。

何十年前の世界観で言っているという前提で、それを学生さんが聞いて「知らない会社はダメなんじゃないか」と思ってしまうともったいなくて。今は親御さんが知らない会社の方がイケてるはずなんですよね。就活ランキングって、今と10年前とだとガラッと変わっているはずです。

風間:

確かにそうですよね。就活生は親御さんになんと返せば良いでしょうか?

櫻本:
「お母さん、お父さんが知らなかったとしても、こんな可能性がある会社で、自分はこんなところが好きで、こんな理由で就職したいんだよ」と、きちんと説明してみる。
世の中にはお父さんお母さんが知らない情報がたくさんあると思うので、それを集めてみるのもいいと思いますね。
今は令和だよって言ってあげるのもいいと思いますし(笑)。

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一同:
笑い

櫻本:
もちろんそれに対して、親が受け入れられないみたいなケースはあるかと思います。でも親も安心したいわけなので、まずはしっかりと説明してあげて、次に自分がこうしたいという意思をしっかりと伝えていく。それが一番いい方法なのかなと思います。

親御さんもお子さんもお互いに、相手を安心させてあげる材料を提供しあうのが大事ですね。

「無理せず、来年また就活したら?」は、 選択肢を広げる伝え方が大切

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風間:
続いての親御さんからの言葉は「無理せず、来年また就活したら?」です。
櫻本さん、いかがでしょうか?

櫻本:
優しいですよね。特に今年のようなイレギュラーな年は、こういう声をかけてあげられるお母さんお父さんがいてほしいなと個人的には思います。でも、ポジティブ・ネガティブがあるということですよね。

風間:
安心はできそうだけど、こういう言葉をかけていいか悩まれる方もいるかなと思います。

櫻本:
これはきっと言い方で、提案として言うとちょっと強い感じがするし、圧を感じてしまうかもしれませんね。でも、選択肢として持っておくのはいいと思うんです。
「今年も頑張る。でも最悪、来年もある」と「もう今年は無理してもしょうがないから来年頑張る」とでは、ちょっと違うじゃないですか。

なので、「今年も頑張ってね。でもこういう年だし、すごくストレスがかかるようであれば、あなたの体や心のほうが大事なんだから、来年もあるという選択肢を覚えておいてね」という伝え方なら、本人に委ねられますよね。

風間:
そんなふうに言ってもらえたら、不安が少し軽くなって、安心しながら納得のいく就活ができそうですね。

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櫻本:
選択肢を狭めるのではなくて、広げてあげるのが大事です。「こうしなさい」と狭めるのではなく、「こんな可能性もあるよね」と声をかけてあげるのは、周りの人ができるサポートですよね。

不安・焦りとどう向き合っていけばいい?

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風間:
視聴者から「内定が出ないことへの不安・焦りとどう向き合っていけばいいのでしょうか?」というお悩みが届いています。

櫻本:
不安になるということは、それだけ願いがあるということなんですよね。「いいところに就職したい」とか「早く内定がほしい」といった願いがある。願いがあれば不安があって当たり前なので、まずは不安を否定せずに受け止めてあげることがすごく大切なんです。

感情ってすごく不思議なもので、否定しようとすると増幅するんですよね。「不安は苦しいから避けなきゃいけない」と思っていると、どんどん不安の中に巻き込まれてしまいます。

なのでまずは、「自分は不安なんだなぁ」と受け止めてあげる。そして冷静になってから「こういう会社に就職したい。そのためには何ができるんだろう」と、切り替えていくことが大切です。

不安の中に居座ろうとするといくらでも居座れてしまうので、一度不安を受け止めたら、「じゃあ願いを叶えるためには何をするのが自分にとって一番役に立つだろうか」と、行動をコントロールする考えにシフトしていくのがいいと思いますね。

風間:
不安な気持ちを受け入れることで、前向きになれるのかなと思いました。

櫻本:
むりやりポジティブになろうとしなくてもよくて、「ネガティブでもいいんだ」「不安で当たり前だわ」と思えると、自分の感情に対してエネルギーを使わずに済むんですよね。自分の感情を受け入れて、その上で行動に意識を向ける。ポジティブ思考や楽観的に考えるということではなく、やるべきことをやるのが大切です。

櫻本さんからメッセージ

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風間:
最後に本日の感想と就活生へのメッセージをお願いします。

櫻本:
今の就職活動は、時代自体が本当に大きく変わっている中なので、不安を感じていて当たり前。みんなが不安を感じていると思うので、こんなときだからこそ、人の力を借りるというか、不安を共有しつつ支え合いながらやっていくのが大事だと思います。

今回、私も話ができて嬉しかったです。これをきっかけに、身近な人を頼れる就活生が増えるといいなと思います。私も皆さんを応援しております。

こういう時期に就活をするのは難しいこともあるけど、きっと今だからこそ味わえることや気づくこと、学ぶこと、乗り越えられることがあると思うんです。今した失敗は将来の糧になるので、どんどん失敗しながら、いろんなチャンスにチャレンジしてみてもらえるといいなと思います。頑張ってください。


ーーやさしさ溢れる櫻本さんの相槌とお言葉で、心癒される配信となりました。ストレスを感じることもある就活ですが、心を整えながら、皆さまがよりよい形で就活を進められることを祈っています。

番組の全編はアーカイブにて視聴できます。記事で紹介しきれなかった、櫻本さんの採用目線のお話やコミュニケーションに関する悩みへの回答など、盛りだくさんの内容です。ぜひチェックしてくださいね!

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(執筆:はつこ