セフレって、

 深夜、突然桐也くんからLINE

「酔ったーあすかちゃんあいたい」

駄目、ここは心を鬼にして。
簡単に会える(ヤれる)女、駄目だよ。

でも、

桐也くんがコロナになってたのもあって
もう2週間近く会えてなかったから
我慢できなかった。ほんとに駄目だな。

いつものパーキングで落ち合って、
久しぶりの桐也くんの部屋。
なんかすでに懐かしく感じてしまった香水に、泣いちゃいそうになる深夜3時。

キッチンの鍋にはカレーの残り。どれだけ忙しくても毎日自炊してる桐也くんが偉くて、偉すぎて、歳下なのにお兄ちゃんみたいな感じがする。

「いっしょにねよ」
ってLINEでは言われてたけど
その前の工程はちゃんと飛ばされなかった。
そうだよねー。そのために呼ばれた私だもんね。
改めて立場を自覚させられて、ちょっと悲しくなる。

だけど、ちゅーしながら

「好き、大好き、愛してる」

って 

どうしよう、うれしい(;ω;)

「俺のことすき??」

真剣な目で、聞いてきた。

分かってるよ、シラフで彼はそんなこと言わない。思ってすらない。


でも

「大好きだよ」

私はそう答えたし、本音だよ。
お酒、一滴も飲んでない。

「どんなとこが好きなのかあとで教えて」

そう言いながら引き出しをガサゴソしてゴムを探す桐也くん。


でも、結局終わった後きいてくれなかったね、俺のどんなとこが好きなの?って。

線路沿いの窓際、もう始発が走ってる。
天井に映る電車の影の動きを眺めてたら
目が冴えちゃって、寝付けない。

桐也くんの腕の中で桐也くんの寝息を聞きながら、
しあわせすぎてもう死んじゃってもいい!って思ったよ^_^

彼女っていう肩書きさえあれば、
朝が来るのも怖くないのに。

次の約束を何度も繰り返す中で、
いつか会えなくなる日がくることも覚悟してる。

私がまだTinderを消せないのは、
その「いつか」が怖いから。

代わりなんていないんだけどねー(>_<)

笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑

付き合おうよ、桐也くん




無理だよね。わかってるよ



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