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Q[8]:これまでで一番長く使われたプログラムはどれくらい?

 20年近くになります。この間、一回もバージョンアップしていません。腱鞘炎になってしまった知り合いの方のために作った小さな常駐プログラムです。その方はマウスボタンを押すたびに右手に激痛が走るそうです。一日のマウスクリックの数をずいぶん前に計測したところ、仕事内容や日によって大きく変化しますが、一日数百回から多い時で三千回を超えていました。毎日、数百回激痛が走るって想像できますか? 
 そのプログラムは単純で、カーソルが1500ミリ秒間程度(これは調整可能)動かされないと、マウスクリックイベントを発生させるというものです。マウスボタンを押さなくても、押したい場所にカーソルを移動して、しばらく待つだけでよいのです。意外にこれは便利で、私自身も使っていました。また、この機能だけではマウスボタンを押したまま移動するようなドラッグ操作ができないので、電子ピアノのダンパーペダルを改造して、踏んだらマウスクリックするようにしました。後から知ったのですが、取材などで録音した音声データを文字に起こす作業をされている方は、再生・停止などを足で操作しているそうですね。
 その知り合いは、現在もこのソフトウェアを使ってくださっているそうです。幸いにも腱鞘炎は少しずつよくなり、現在ではこの機能を使う頻度は減ってきているそうです。プログラマー冥利に尽きます。

6. ダンパーペダル


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