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プログラムを模写する

 では次に、プログラミングをより理解するにあたって、おすすめの方法をお話しましょう。
まずは、プログラミングの本や、Webに載っているサンプルプログラムをそのままコピペして、パソコンで動かしてみることをオススメします。一般的にはこれだけではプログラミングができるとは言えませんが、それをやってみることで、これまで得体の知れないものだったプログラミングがどのようなものなのか、感じることができると思います。
 絵描きになるためには、最初は写生や模写などのトレーニングを積むと思います。まずは真似から始めます。それと同時に、さまざまな絵を見ることも欠かせません。たくさんの絵を見ていると、そのうちに絵を見る解像度が上がっていきます。たとえば、ピカソやブラックの絵を初めて見たときと、キュビズムの考え方を知ってから見たときでは、随分見方が変わるでしょう。自分では試したことはないですが、ピカソの『ゲルニカ』を模写すると、そのすごさがよくわかる、と聞いたことがあります。印象派の絵も、その前後の時代の作品を知ると、どうして画家たちがこのような活動に至ったのかが理解できるような気になります。そう、プログラミングに限らず、なにかを習得しようと思ったら、経験を積みながら、解像度を上げていく作業が不可欠だということです。 
 なお、プログラミング言語によっては、テキストエディタにプログラムを書いていくだけで十分な場合もありますが、本格的にプログラミングをしようと思ったら、IDE(統合開発環境)があると捗ります。私は有料のIDEを使っていますが、学生であればアカデミックディスカウントがあったり、無料で入手できたりするものもたくさんあります
 さて、サンプルプログラムをコピペして動かすと、そのかたまりがどう動くかが理解できるようになるでしょう。さらに、サンプルプログラムを読んでいくと、ここはよくわからないけど、ここはこういう意味だ、ということが部分的にわかってきます。
 サンプルプログラムの全ての行が理解できたとしても終わりではありません。それぞれの行が他の状況で使われた場合どうなるか、というのは次の問題です。どんなプログラミング言語でも、ライブラリで用意された全ての関数を熟知して使いこなせている人は多分いないと思います。その都度、課題に応じて新しい関数を理解して、使えるようになっていきます。これはどこまで熟練度が上がっても、永遠に続きます。

1. 模写


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