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時系列データのパターンを明らかにする「自己回帰モデル」

 自己回帰モデル(AutoRegressive model:ARモデルとも呼ばれる)とは、時間とともに変動する現象を記録した1つのデータ系列から、その特徴を抽出して予測する手法です。下記の図の実線は、17年(208ヶ月)分の私が支払ってきた毎月の電気代の推移です。何に使うのか目的もなく、何となくデータを取っていたのですが、ようやくここでお披露目できます。私はなんでも記録しておくのが好きなのです。
 ただ、電力会社が決める電気料金が変わったり、再エネ負担など料金体系が変わったりしたので、金額ではなく消費電力量(kWh)で記録しておけばよかったと思います。それでも、図の実線を見てみると、エアコンを省エネタイプに変えてから若干効果が出ているのがわかります。
 図の点線は、自己回帰した結果です。実線と重ね合わせてみると、点線の動きが実線に近い折れ線グラフになっていますね。このように実線の後の期間(未来)を予測することができるのです。

ARモデル

図 自己回帰(AR)の例

 そのほかにも、ARモデルに移動平均を導入して、データを平滑化することで改良したARMAモデル (AutoRegressive Moving Average model)やARIMA (AutoRegressive Integrated Moving Average model)という手法や、さらに季節変動を考慮したSARIMAモデル (Seasonal AutoRegressive Integrated Moving Average model)という手法が開発されています。下記の図は、同じデータをARIMAとSARIMAモデルで分析、予測した結果です。

ARIMAモデル

図 ARIMAモデルの例


SARIMAモデル

図 SARIMAモデルの例

2. 自己回帰


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