第5章 プログラムで表現してきたこと
ひとつの仕事に一生打ち込むひとも多いと思います。偉業を達成できるのは、そういう人たちでしょう。私はいろんなことに興味を持ってしまうので、ひとつの仕事だけに短い人生を使うことはできそうにありませんでした。多才なジャン・コクトーは、絵を描いたり、詩を書いたり、映画を撮ったりと、多彩な人生でした。若いころ、私もこういう生き方にあこがれていました。
会社に入った時、これからいろんなことがしたい、ただそれなりに道を究めたいと思い、10年ごとにテーマを大きく変えようと考えました。10年やっていれば、まあ専門家だと名乗れるかな、と思ったのです。
その結果、最初の10年はコンピュータ音楽とコンピュータグラフィクス、次の10年はヒューマンインタラクション、直近の10年は社会インフラ科学の研究を行ってきました。振り返ってみると、対象分野は異なりますが、ベースとなる技術はコンピュータサイエンスと言えます。つまりプログラミングです。
これらの分野を研究している中で、思い浮かんだアイデアや方法論を、プログラミングを通じて具体的に表現してきました。そのいくつかをご紹介します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?