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Q[2]:どうやってプログラミングのスキルを磨いてきたの?

 プログラミングに限らず、仕事のスキルを磨くということは、すなわち解像度を上げていくことだと思っています。
 話がちょっとそれますが、私は35歳までほとんどお酒を飲みませんでした。飲み会があっても、「あ、オレンジジュースください」というような、おもしろくないヤツでした。ところがあるとき、ご飯でも食べようと、ふらっと小さな居酒屋さんに一人で入ったことがきっかけで、人生の楽しみとγ-GTPと体重が増えることになりました。
 店に入ると立派なお通しが出てきて、「それを食べ終わるまで食べ物の注文は受け付けない、それまでは酒を飲め」と店主に告げられて困惑しました。お店には50種類の日本酒が並んでいて、どれを飲めばいいかわかりません。おすすめは何かと聞いても、「人それぞれ好みがあるからおすすめはない、自分の舌で決めろ」と突っぱねられます。仕方ないので、端から飲んで、自分の好みを模索することにしました。
 初めは何を飲んでも区別できなかったのですが、何度もそのお店に通うようになり、香りや味を意識して手帳にメモしながらひたすら解像度を上げていきました。その際の一つの指標となったが、日本酒の瓶のラベルに書いてある、アルコール度数、日本酒度、酒米、麹などの情報です。飲み進めるうちに、この相関関係もなんとなくわかるようになってきました。これらの情報を頼りに、自分がどのようなお酒を美味しいと思うのか、探っていったのです。
 しばらくして50種類全部飲みきった頃には、だいぶ自分の好みがわかるようになりました。そのお店に並んでいたのは、いわゆる大衆酒で、比較的安いお酒でした。今から考えると、大衆酒の多くは似たような造り方で、よく違いを見出せたなと思います。何度も店に通った甲斐あって、そのご主人の古希と喜寿のお祝いの幹事をつとめさせていただきました。会社でも飲み会の幹事なんて一回もしたことなかったんですけど。
 その後、若い杜氏さんが作るような新しい日本酒に出合ったり、酒蔵さんを見学させていただいたりするようになり、さらに解像度が上がりました。ただ、いまだにワインやビールの解像度は低く、ビールメーカーの違いはもちろん、ビールと発泡酒の違いもわかりませんし、実はノンアルコールビールとの違いすらわかりません。
 お酒について熱弁をふるってしまいましたが、プログラミングのスキルを上げるためには、数々の経験を積む中で、地道に解像度を上げていくことが肝要だと思います。

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