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現代音楽のためのプログラミング

 東京藝術大学作曲科の先生とのコラボレーションでは、バイオリンやピアノなどの定番の楽器や、古楽器のリコーダーや日本の箏などと一緒に、コンピュータによる演奏を合わせる、といった作品を試みました。現代音楽ですから、コンピュータにありきたりの演奏をさせるわけではありません。先ほど、音符を扱うのは一小節に数個から数十個、といいましたが、膨大な音符を制御します。いわゆる「トーンクラスター」と言われる手法の流れと言えるかもしれません。作曲家は、大きな音符の中に小さな音符が詰まっているイメージ、とおっしゃっていました。
 そこで、シンセサイザーの鍵盤を押すと、膨大な小さな音符(MIDI信号)が出力されるソフトウェアをプログラミングしました。演奏者は人間が可能な範囲で演奏し、人間では演奏不可能な数の音を奏でることができます。実際には演奏者はシンセサイザーを直接演奏するのではなく、ピアノやバイオリンなどの一般的な楽器を使い、それをマイクで拾って演奏された音の高さ、強さ、タイミングを検出してMIDI信号に変換します。変換されたMIDI信号(=大きな音符)を私のソフトに送り、小さな音符をシンセサイザーなどの音源に出力する、といった構成です。

5. 大きな四分音符

 下記の音源は、上記の作曲家の先生の作品ではありませんが、このプログラムを使った例です。


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