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第60回 新しい対立

保元の乱(1156年7月)が終わって、さあ、更に権力を強めようと考えていた信西(51歳)にとって新たな敵が現れました。
後白河天皇(30歳)に仕えていた藤原信頼(24歳)です。二人は男色関係にあったといい、周囲から「あさましき程の寵愛あり」と言われる寵臣でした。信頼はあの中の関白家の隆家の末裔に当ります。
後白河天皇は女色、男色どちらもいけ、今様も大好きで、人生を謳歌していました。日本の男色は明治のキリスト教が全面的に入ってきてからは異常とされましたが、それまでは普通の感覚だった様です。あのザビエルも「日本人はとても真面目で優秀だが、あれだけは理解できない」と辟易しています。市川猿之助さんもこの時代ならば堂々と生きていけたでしょうね。(パワハラは謝罪しないといけませんが)

また最近の研究では、同性愛ができる原因は受胎の時にあると言われ、最初はすべてメスなのですが、男性ホルモンを浴びて、一部がオスになっていく。男性ホルモンを浴びる量がたまたま少ないと、身体はオスだけど脳はメスであり、同性(脳内では異性と思っている)を好きになってしまうという訳で、約7%の出現率だと言います(男女逆の場合もあり)ので、全く恥じる事はないとyoutubeの番組でありました。こういう科学的な知識があれば、猿之助さんのご両親も、死を選ぶ事はなかったのではないかと残念です。「恥じるくらいなら死を選ぶ」-何か江戸時代か終戦時の日本みたいな感覚ですがー。

そして翌保元2年、源義朝は決意して、信西の息子を女婿に迎えようとしますが、にべもなく断られます。その直後、信西は別の男子を平清盛の女婿にしてしまいます。義朝は屈辱に怒ります。
「父の仇でもある。迎合するのはやめじゃ。あやつを倒す」
そして信西から「文にもあらず、武にもあらず、能もない、あんな小人をどうして近づけられるのですか?」と後白河天皇に対して激しく罵倒の言葉を浴びた信頼は同じ敵を持つ義朝に近づいていきます。
ところで2012年の大河ドラマ『平清盛』では信頼をドランクドラゴンの塚地さん(当時40歳)が演じられていましたが、少しイメージが・・・まあ、好みはそれぞれあるでしょうが(笑)  (続く)

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