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第119回 面接の結果

オッペンハイマーは「やっと来たか!これで腕が振るえる!」
と喜びました。ノーベル賞を欲しながらも取れていなかった彼には微役しか与えられていませんでした。
グローブスの事前の調べでは、ハーバード大を3年で、しかも首席で卒業した秀才だった。しかしノーベル賞を取っておらず、更に妻と弟夫妻が共産主義者で、オッペンハイマー自身も大恐慌の時には共産党の集会に参加していたという記録がありました。グローブスは取り合えず共産主義との関係を質問しました。オッペンハイマーはあっさりと答えました。
「ああ。あの時はちょうど恐慌の時で興味はありました。今は全く興味がありません。とにかく今は原子爆弾を早く完成させたいのです」
グローブスはオッペンハイマーのぎらぎらとする野心を見て取りました。
他の面接官、特にブッシュなど多くの者は、共産主義の影がちらつくオッペンハイマーに余り賛成しませんでした。FBIも難色を示していました。

だいたいノーベル賞を取っていない男が、幾多のノーベル賞受賞の科学者を統率できるのか、という疑問もあがりました。しかしグローブスはオッペンハイマーを推しました。
「彼しか原子爆弾を完成できない!」(続く)

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