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第71回 源頼政、平家軍に回る。

鴨川を挟んで、源平両軍は睨みあいました。そして源氏方が川を渡って六条河原に入り、攻撃に入りました。
しかしここで、義朝の長男・義平は痛恨のミスをしてしまいました。摂津源氏の頼政を敵に回してしまったのです。
もともと頼政は美福門院に仕え、この頃は二条天皇に仕えていました。反信西という事で、二条天皇派と信頼は手を結びましたが、信西を滅ぼした今、信頼に義理はありません。同族の義朝が信頼と手を結んで事を起こしたことさえ、苦々しく思っていました。それに元々、平清盛とは気が合っていました。

しかしそこは同門の源氏の手前、軍を出しましたが遠くからじっと眺めていました。それを見て、義平がなじりました。
「頼政は卑怯者か!同じ源氏でありながら、平家に組する気か!」
義平は4年前、16歳の若さで叔父義賢を東国で争って殺してしまったくらいですから、遠戚の文人である頼政を何とも思っていませんでした。
「こわっぱめ!」若造になじられた頼政は決断しました。
「義朝軍を攻めよ!」
背後から頼政軍に攻められた義朝軍は総崩れとなりました。(続く)

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