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第161回 富士川からの退却

※最近、左眼に炎症を起こしてしまって、またnote作成を休んでしまいました!この『清盛の時代』も終盤にかかっているので、何とか完結したいと思います!

さて、富士川を挟んで対峙する頼朝の軍は膨れに膨れて二十万という怪情報が伝わってきました。これは余りにも大袈裟でしたが、平家方はだんだん恐怖にかられてきました。
かつて源氏方の武将だった斎藤実盛に東国の武士はどんなものかを軍議で問いました。すると実盛は、
「親兄弟の屍(しかばね)を越えてくる勇猛果敢な者ばかりですから、油断召されることなきよう」
と答えました。
実盛は気を引き締めるために言ったのでしたが、平家方の恐怖心はかえって最高潮に達していきました。だいたい、難を避けて焚く村人の火を、源氏方の大軍と勘違いしていました。

そしてその夜、源氏方の武田軍が功を狙って夜襲をしかけてきました。
しかし戦う前に、その時飛んだ大量の水鳥の羽音を、大軍の夜襲だと思い込んで、平家方は我も我もと驚いて、戦いもせず逃げ帰ってしまったのでした。(続く)

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