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第62回 若い女房の裸身

「賊が宮中に入った!」という声に、香子はしばらく腰が抜けていましたが、気を取り直して、
「左衛門の尉(じょう)(惟規のこと)を呼んで下さい」
と何とか言いました。香子は弟惟規に手柄を立てさそうと思ったのでした。ところが、
「もうお借りになりました」との事でした。
「まあ、頼りにならぬこと・・・」と香子は嘆息しました。
結局、その大晦日の強盗事件は別の役人が解決しました。帝と中宮、若宮は無事でした。
しかし香子は別の衝撃を受けました。香子が恐る恐る現場に行ってみると、二人の若い女房がほぼ全裸の状態だったのです。
誰も衣服を渡さず、おまけに役人は松明(たいまつ)を灯して、その裸身を更に露わにしてしまいました。
その裸身を見て、気の毒と思うと同時に香子は別の感情が出てきて、食い入るように見てしまったのでした。(続く)


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