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第34回 平清盛(10)源光行

『平家物語誕生』の主人公源光行は、1180年、安徳天皇が即位した正月に、18歳で難しい課試に合格し「菅原道真以来の秀才」ともてはやされていました。6月の福原遷都にも造京使として、土御門通親のもとで働きます。

この通親という男は後年、後鳥羽上皇の乳母夫ともなり、平家についたり、朝廷についたりと世渡りのうまい男でした。
この頃、私は拙著で、光行が清盛から「何か平家の物語を書いてほしい」と依頼されたとしました。藤原氏には道長の栄光を賛美した「栄花物語」があります。

ところでその年の12月、反平家が渦巻く奈良の寺を、清盛の五男重衡が攻めた時、暗いので民家に火をつけると冬の嵐でたちまちに燃え広がり、有名な寺や大仏まで焼いてしまいます。

そんな中、翌年1181年、1月高倉上皇が21歳の若さで崩御します。4人の皇子を遺していました。そして閏2月、熱病(恐らくはマラリア?貿易で大陸から来た?)で、清盛は、「我が墓に頼朝の首を供えよ」と遺言して64歳で亡くなります。平家が滅ぶのはそれから僅か4年後の事でした。

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