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第129回 『栄花物語』続編の開始か?

白河天皇が第一皇子を亡くして失意の頃、大宮彰子の三回忌も過ぎて、『栄花物語』30巻の続編をしようという動きが出てきたものと思われます。
前半の作者赤染衛門はさすがに他界していたでしょうから(120歳を超えてしまいます!)、かつて彰子に仕え、今は孫の章子内親王に仕えている出羽弁という70歳ほどの聡明な女房(出自は平氏)が選ばれたものと推定されます。
道長が亡くなった所で正編は終わっているのでその後、彰子の花見や倫子七十の賀、後朱雀天皇の即位など、正編と同じく讃美の文章を続けます。
『栄花物語』といえば『大鏡』ですが、まだ世には出ていませんでした。

白河天皇の周辺では、最初の妃道子(大恩ある能信の養子能長の娘)に皇女が生まれたり、最愛の中宮賢子にも皇女が生まれ、やきもきしていました。摂関家では順調に師実の嫡男師通に男児が生まれていました。

しかし承暦3(1079)年7月、賢子は23歳で、皇子善仁(たるひと)親王を産みました。後の堀河天皇で、現代にも繋がっています。
ただ善仁親王は虚弱で、白河天皇の賢子もそれが心配でした。(続く)

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