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第9回 顛末(4)

「今度書く小説に必要なんです!お願いします🙏」と懇願すると、申し訳無さそうな顔に館員さんはなってきましたが、「申し訳ありません。規定なので」と言います。

諦めて近くの本を見ていると、15分ほどして放送があり、私の名を呼んでいます。

「こんなに早くコピーできたのかな?」と思って行ってみると、今度は館員さんはにこにことした表情になっていて「これ、源光行(1)となっていますね。(2)はまだ発売されていないんですが、発売されるものとして、半分という規定で、全部コピーします」と言われました。

何という裏ワザ!著者はその時90歳を超えていて、10年近くたった現在も(2)は発売されていません。

とにかく私は天にも昇る思いで感謝しました。

全部コピーして貰って帰宅した時にはすっかり夜になっていました。

「これだったら明日の日曜に行ったら良かったかな」と思ってふと関西館の案内を見ると、

何と図書館なのに(?)「日曜休館」となっているではありませんか!

日曜に来ていたら、休館、そして1週間の規定なので、本はまた東京に返される所でした。

その時、私は、「これで『平家物語誕生』は必ず書ける!」と確信しました!😅

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