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第35回 核分裂の公式発表

1939年1月26日、余りにも核分裂の噂が沸騰しているので、ボーアはワシントンD.C.の物理学会で、急遽、核分裂の発見について説明しました。その中で最初に理論づけて説明したのはリーゼ・マイトナーとオットー・フリッシュである事を述べました。フリッシュからは口外しない事を頼まれていましたが、広まってしまった事を電話で謝罪していました。

出席者の中にサンフランシスコから駆け付けたオッペンハイマーも興味深く聴いていました。ヒトラーが核分裂を悪用するのではないかと心配していたレオ・シラードは土砂降りの中で考えすぎて、風邪で寝込んでいました。

そのニュースが遅れてベルリンのオットー・ハーンの耳に入った時、ハーンは不快の念を示しました。
「私の知らない所で、どんどん話が進んでいる」
ハーンは助手のシュトラウスマンと顔を見合わせ、何か不吉な予感をお互いに持ちました。(続く)

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