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原爆誕生と戦後の秘話

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原子爆弾がいかにして造られていったか。またそれがどうして日本に投下される事になったのか。そして真珠湾奇襲攻撃はどうしてなされたのかを推理していきたいと思います。
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記事一覧

第147回 映画「オッペンハイマー」を二度見する!(笑)

3月29日、いよいよ待望のアカデミー賞受賞映画「オッペンハイマー」の日本公開が始まりました…

高堀 枝裕二
1か月前
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第146回 オッペンハイマー、祝アカデミー賞!

やはり予想通り『オッペンハイマー』の圧勝でした。私は2年前に偶然『原爆誕生と戦後ーオッペ…

高堀 枝裕二
1か月前
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第145回 100万分の2秒(前半終了)

プルトニウム爆弾はウラン爆弾の様に両側から爆発させる「ガンバレル方式」では爆発しない事が…

高堀 枝裕二
6か月前
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第144回 オッペンハイマーの挫折

ロスアラモスでは機密保持から爆弾は暗号名で呼ばれていました。 一つはプルトニウムを球形に…

高堀 枝裕二
6か月前
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第143回 戦局の展開

1944年6月、日本が「史上最悪の作戦」と言われたインパール作戦で多くの戦死者を出している頃…

高堀 枝裕二
6か月前
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第142回 チャーチルとの決裂

1944年5月16日、ボーアはチャーチル首相に面会を求めました。原爆の情報をソ連にも公開し世界…

高堀 枝裕二
6か月前
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第141回 ジーンの死

1944年となった1月4日、オッペンハイマーの愛人であったジーンが自宅の浴室に睡眠薬を服用して入り、自殺しました。溺死でした。29歳でした。 同性愛に苦しんだ末の自死という事で伝えられました。 オッペンハイマーは、その性癖を初めて知りましたが、付き合っていた時から不自然な事もあり、今すべての点で合点がいきました。自分の性(さが)を否定したいがためにわざといろいろな男と寝たりもしていました。それが別れの一つの原因ともなっていました。 「もっと分かってあげたら良かった」 聡明で

第140回 ハイゼンベルクのメモ

ボーアは考えました。 「もう仕方がない。ここまで進んでいるのならー願わくば原爆が人類に使…

高堀 枝裕二
6か月前
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第139回 爆縮方式の発明

プルトニウムは、両端に分けてぶつける方法では爆発しませんでした。 ロスアラモスの天才的な…

高堀 枝裕二
6か月前
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第138回 マイトナーの煩悶

フリッシュは渡米前にストックホルムにいる叔母、リーゼ・マイトナーに電話をしました。 「叔…

高堀 枝裕二
6か月前
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第137回 クラウス・フックス

テヘラン会談の中で、ソ連は日本に参戦したら満州、特に大連や旅順を貰い受ける事を密約されま…

高堀 枝裕二
6か月前
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第136回 最初の三巨頭会談

1943年11月、ローズベルト、チャーチル、蔣介石のメンバーでカイロ会談が行われました。 チャ…

高堀 枝裕二
6か月前
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第135回 イギリスでの原爆開発

1943年9月29日、ユダヤ人の母を持つニールス・ボーアはしだいにユダヤ人迫害が母国デンマーク…

高堀 枝裕二
6か月前
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第134回 ケベック協定とイタリア降伏

1043年7月末、チャーチルはロンドンの自邸にアメリカのブッシュを呼びつけで憤然として言いました。 「今後イギリスは、アメリカと協力関係を打ち切り、カナダに独自の原爆研究の工場を造る!」 ブッシュは蒼ざめてひれ伏し、アメリカに帰国後ローズベルトに報告しました。 「まずいな。イギリスは戦後に良き同盟国としていてもらわなくては困る」 イギリスを同盟国として確保しておきたいローズベルトは、カナダでケベック協定を交わす事にしました。 8月17日にその協定は交わされました。 即ち、原爆