臨床医学論文を検索する

 臨床医は患者を一人診察すると平均して5つの疑問を思いつくと言われているが 、臨床で遭遇する疑問は背景疑問前景疑問に分けることができる。

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 臨床医学論文、いわゆるエビデンスは前景疑問を解決するための有用な情報源と言える。

 PubMedは医学・生命科学領域の文献情報を収集したオンラインデータベース、MEDLINE(MEDical Literature Analysis and Retrieval System Online)の検索エンジンで、米国国立医学図書館内の米国立生物工学情報センター (National Center for Biotechnology Information:NCBI)により運営されている。PubMedは1997年に無料公開されたが、この無料公開は“PubMedとジャズはアメリカから人類への最大の贈り物”と言われるほど画期的な出来事であった。

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PubMed検索の基本的な流れ

 EBMのステップ1では前掲疑問をPECO で定式化するが、この作業を通じて、前景疑問を簡潔にわかりやすく整理するだけでなく、疑問のタイプ(病因、頻度、診断、予後、治療・予防、害)が明確になり、情報検索の効率化を図ることができる。

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