因果について考えてみるー第4回:出来事と出来事の多因子性

 ランダム化比較試験によって得られた医学的介入の結果は「相対危険」に代表されるようなアウトカム発症率の比で示されることが一般的である。つまり、実験的介入を受けた群と受けてない群を比較して、関連性を検討している「結果」の発症率を比の指標で表現するということだ。

観察されている因果関係は「全体」か「部分」か?

 下の図は、高齢者に対する抗凝固療法の有効性を検討したランダム化比較試験の結果をまとめたものである。

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