ランダム化比較試験論文の読み方(発展編詳説)

 本記事は「ランダム化比較試験論文の読み方」発展編の詳説である。過去に公開している標準編概説および詳説、そして発展編概説に目を通したうえで読んでいただけたら幸いである。

 この記事では実際の論文を用いながら、概説で言及した論点について確認していく。具体的にはITT解析されているか? そして追跡期間と研究脱落状況はどうか?という項目である。また、解析手法の肝であるSTATISTICAL ANALYSISの項目についても深読みしていく。なお、今回使用する論文は標準編と同じくAction to Control Cardiovascular Risk in Diabetes Studyである。

Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes Study Group; Hertzel C Gerstein,et al : Effects of intensive glucose lowering in type 2 diabetes. N Engl J Med. 2008 Jun 12;358(24):2545-59. PMID: 18539917
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18539917/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/pmid/18539917/

 この論文は全文がウェブ上で閲覧可能である。適宜、本記事と論文と見比べながら読んでいただけると理解が深まるはずだ(なお著作権に配慮して本記事では論文のキャプション画像を投稿しない)。

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