EBMとは

 EBMとはEvidence-Based Medicineの頭文字をとったもので、直訳すれば『根拠に基づく医療』となる。端的には、現在利用可能な最も信頼できる情報、すなわちエビデンスを踏まえ、目の前の患者にとって最善の臨床判断を行うための行動指針である。

 EBMは①疑問の定式化②情報(エビデンス)の収集③情報(エビデンス)の批判的吟味情報(エビデンス)の適用⑤①~④の再評価という5つのステップからなる。また、情報の適用に当たっては、研究結果という客観的事実のみならず、患者の価値観患者自身を取り巻く環境、そして医療者の臨床経験を踏まえて、判断していくことが求められている。

画像1

 エビデンスという情報のみで臨床判断をしてはいけないこと強調しているEBMの考え方は、人の生活が科学のような合理的なものだけでは構築されていないという前提に基づいている。

 僕たちが生きている日常は、むしろ科学的ではないもの、非合理的なものであふれている。不安や心配を和らげるため、何かに祈りをささげたり、健康に良くないと知りつつも飲酒や喫煙をすることもあるだろう。エビデンスがあるからといって、人の生活全てがエビデンスに従っているわけではない。

※本記事に掲載している図のパワーポイントファイルを有料にて公開します。以下よりダウンロードしてご利用ください。なお、単品でも購入可能ですが、マガジンとしてご購入いただくと、全てのパワーポイントファイルがダウンロードできます。

ここから先は

0字 / 1ファイル
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?