メディアの役割と特性

メディアの役割 

 情報を記録し、保管し、そして伝達する装置をメディア(media)と呼ぶ。情報の取扱いに関して、メディアはジャーナリズム(事実報道)エンターテインメント(娯楽の提供)、そしてアドバタイズメント(広告・宣伝)という3つの役割を担っている。しかし、それぞれの役割は独立して機能しているわけではない。人や社会の関心を最大効率で得られるよう、メディアコンテンツの作成者が情報の意図的、ないしは恣意的な加工を行っているからだ。

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 なお、単に記録媒体という意味で、メディアという言葉が用いられることもある(例えば、ハードディスク、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリ等)。

メディアの大衆化

 マスメディアが情報の一方的な媒介を営んできた一方で、ネットワークメディアが媒介する情報は方向性が見えにくい。ネットワークメディアを介して情報を受けた側が、次の瞬間に情報の発信者となっていることは珍しくないからだ。Twitterの「リツイート」やFacebookの「シェア」などのアクティビティーは、ネットワークメディアから情報を受け取ること同時に、その情報の発信者になることを意味する。その行為は意識的であることもあれば、半ば無意識的に行われることもあろう。ゆえに、ジャーナリズム、エンターテインメント、そして広告というメディアの特性は、特定の情報発信者が有する固有の条件ではなく、既に大衆化されているといってもよい。

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 かつてはテレビ局が作成した番組コンテンツと、スポンサーとしてコンテンツ作成に協力した企業という特権的な関係性が情報の流れを決定づけていた。しかし、今やネットワークに接続できるあらゆる人にその可能性が開かれている。インターネット上に散らばるブログメディアやYouTube動画などのネットワークメディアコンテンツと、アフィリエイトをはじめとした広告収入の関係を想像して見れば、メディアの大衆化という意味がよく分かるはずだ。

メディアの特性

 メディアの特性は情報の流動性(フロー)伝達速度の2軸で分類できる。むろん、メディアに掲載されるコンテンツの内容によって、流動性や伝達速度は変化しうるが、メディア特性の傾向を把握することができる。

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 臨床医学論文を掲載している学術誌もメディアの一形態であるが、最新の学問知を迅速に伝達するメディアであるとともに、知識のアーカイブとして蓄積型メディアとしての特性を有すると考えられる。

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