オーストラリア火災 ラクダのこと

この火災で食べ物を失った野生動物にどうにか生き延びてもらおうと、空から人参やサツマイモを撒いている、という記事を読んだ。それに対して、

「ワラビーは助けるのに、ラクダは殺すのか」というコメントがたくさん見受けられた。豪当局が空から撃つらしい。その数は数千頭にも及ぶというから、胸が痛くなる。同じ動物なのに。

またオーストラリアは日本の捕鯨に関していろいろ言ってくるのに、今回の対処法は矛盾しているのでは、という意見もあった。

今回なぜラクダを処分するかというと、水を求めてラクダが大挙して先住民の集落に押しかけているからだそうだ。通りをうろついたり、柵を倒して民家のエアコンの冷却水を得ようとする。大きい動物なので一頭来ただけでも怖いと思うが、群れを作って民家を襲ったら、家はひとたまりもないだろう。数千頭も処分する必要があるかどうかは別として、ある程度の対策は現状「やむを得ない」のではないか。

日本でもサル、鹿、クマ、イノシシなど、人間に危害を加える場合は殺処分になることもある。

もともと動物を大事にする国だ。外来種だから殺してもいい、と処分しているのではなく、先住民の暮らしに大きなダメージを与えているので仕方なく、と理解してあげたい。山火事ではなく、もう「国火事」と言っていいほど大きな災害になっている。ワイン用のブドウ畑が全滅しただけでなく、貯蔵してあったワインも全部やられてどうしていいかわからない、というワイン製造者のコメントもあった。未曽有の大災害なのだ。

今回のラクダの件に関しては、いろいろな意見を持つ方がいらして当然だと思う。だが今オーストラリアは瀕死の状態だ。まずは寄り添って手を差し伸べてあげたい。収束への見通しが立たない中、責めたり異論を唱えたりするのは後回しにして、まずは背中をさすってあげたいと思う。


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