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原辰徳チャレンジ!!直電話で「おまいさん」

高校野球においてはキャプテンはもう一人の監督の場合が多い。いや、監督の右腕。いや、監督が面倒くさいことを引き受ける存在だ。

監督が注意しそうなところを先回りしてメンバーにゲキを飛ばしたり、説教が始まれば「キャプテンがしっかりしてないからこうなるんだ」という己の指導力不足を棚に上げられたうえで非難され、部員が何かやらかせばキャプテンもセットで謝罪させられたり、試合でミスすれば「キャプテンなんだから」という一個なんか付け加えられたり、練習の号令もするし、練習メニューや試合でのスケジュールを監督から聞いた上で全員に知らせるが監督の気が変われば即変更され「言ってたのと違うやんけ」と愚痴をこぼされるのがキャプテンだ。

周りくどい監督のキャプテンは大変だ。「みっともないプレーばかりしやがって。ミーティングして次からどうするか決めろ」というやつがたびたび行われる。だいたい報告役はキャプテンだ。「あなたの解任を決めました」と言えればいいが、火に油を注ぐだけであることは部員全員がわかっている。「どうすれば、このダルい時間が過ぎ去るか」が最重要なポイントとなり忖度しまくった定型文を報告するだけだ。「準備を早くして、元気を出して、ウォーミングアップから意識を持って頑張ります」的なフレーズで決まりだ。具体的に何を意識するのか、頑張ることで何を達成するのかが大事なんだけど、そんなことはあまり重要ではない。反省している格好さえしていればいいのだから。

ミーティングさせといて、自分の意図していない返答に関して「わかってない」と激昂する監督は、「じゃあはじめから自分で言え」ということである。

ノリはもちろん原辰徳

あのノムさんこと野村克也さんは「ぼやき」や「口うるさい」というイメージを持っているかもしれないが、中学生を指導していたときはとにかく褒めていたことで有名だ(サッチーがいろいろやらかしていたそうだけど。。)

育成年代はとにかく褒める、認める、前をむかせることが大事だ。厳しくも熱い。そして意味不明な抜け感がある。そう。原辰徳のノリが必要である。

「おまいさん達は」で始まるお決まりのフレーズは、「お前」とも「あなた」とも違う絶妙な響きがある。厳しい内容であっても威圧しすぎない印象に早変わり。

「お前」で始まれば、どうしても結びは「!!」になりやすい。「おまいさん」で始まれば、結びは「。」になる。

「お前はなんでベースカバー何回も忘れるねん!!ふざけんな!!」が「おまいさんがベースカバーを忘れるたび、チームメイトは『またか』とガッカリするよな。」という風に。

これが「あなた」になると、途端に厳しくなるから不思議だ。「あなたはどうしてベースカバーを忘れるの?あれだけ言ったでしょう?」とオカンに注意されているようで萎える。

やはり独特の江戸っ子風な言い回ししかない。

監督になった今、まず習得すべきは江戸っ子喋りと原辰徳のノリである。

キャプテンと副キャプテンに直電話

さて、ここまでさんざん語ってきたところで本題に入る。

キャプテンと副キャプテンを任せようと思っている選手に直接電話だ。




言えませんでしたーー!!

「おまいさん」とは言えませんでした。。。

山口県うまれ、大阪育ちの人間が監督になった途端に「おまいさん」はさすがにおかしいやろ!!って怖気付いてしまいました。

でも、交渉は成功。新学期からは新しいスタートが切れそうです。

「おまいさん」が繰り出される日がいつになるかわからないが、生徒との絶妙の距離感をはかりながら、目を見開いてグータッチができるように頑張りたいと思う。




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