不器用

私は物心ついた頃から不器用だ。

まず第一に紐が結べない。
ゴミ袋を括ることは出来るが、蝶々結びは出来ない。
蝶々結びは何度も練習した。小学生の頃も、高校生の頃も、大人になっても練習した。
それでも上手く出来ない。蝶々結びのような結ばれていない形のおかしい何かが生まれる。

お片付けも苦手だ。
正確には、元あったように物をしまうのが苦手。
一度カバンから出してしまうともう終わり。元の形には戻らない。
折りたたみ傘も、私からしてみれば折りたためない傘。

幼稚園の頃に折り紙の時間があった。
その時は、先生がお手本を見せてイカを折るというものだった。
折れなかった。
教室で私一人だけ折れなくて泣いていた。

小学校一年生の頃は凧揚げの凧を作る授業があった。
完成には糸を通して結ぶ作業が必要だったが、出来なかった。
左と右で二箇所結ばないといけなかったが、先生に助けを求めて片方は結んでもらえた。
もう片方は結べなかった。

小学校高学年の頃は縄跳びを結んでしまえなかった。

中学一年生の頃、授業で使う柔道着の帯が結べなくて怒られた。
つらかった。

短大生の頃、実習着のエプロンの紐が結べなくて恥ずかしかった。

大人の今、紐の靴が履けなくてかなしい。

どうして出来ないのだろう。

私は不器用だ。

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