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(23) ホンダ オデッセイL 4WD  (1995年)

ホンダ オデッセイL 4WD (1995年)
所有期間 2004年04月~2006年09月

■ホンダ オデッセイL 4WD について
平成6年にデビューした新しいタイプのSUVの第一弾。
オデッセイのデビューにより、「ステーションワゴン」と「ワンボックス」の中間にあたる「ミニバン」(正確にはミニバンという言葉はアメリカではオデッセイのようなクラスを指さない)というカテゴリーを確立した。
このオデッセイの登場により、以降、各メーカーはセダンベースを流用した亜種として1.5BOXミニバンを、こぞって投入することとなった。

初期型オデッセイは、「乗用セダンのもつ乗り降りのよさ」と「3列シートによる居住性」「リアシートレイアウトによる高いスペースユーティリティ性」を大柄なボディと低い車高によるスタイリッシュ感を達成し、多くの支持を受けて大ヒットしたが、ベースとなった車体はアコードであることを考えるとホンダの戦略が見事なまでに市場にマッチしたわけである。

デビュー当初のエンジンはSOHC2.2リットル直列4気筒のF22Bであったが、平成9年のマイナーチェンジでSOHC/V-TEC2.3リットルエンジンとなり、動力性能と燃費が向上され、後に高級車バージョンとしてV6の3リッターエンジン搭載モデルも追加された。
平成11年にはフルモデルチェンジにより2代目がデビューし、初代オデッセイは生産終了となった。

■現車紹介

6人乗りのため、セカンドシートがキャプテンシートとなり、サードシートへはウォークスルーで移動する。

■個人的な概要
娘が産まれてから、奥さんのヴェントのリアシートにはチャイルドシートが鎮座したため、ヴェントの乗員数は大人3人+子供となった。
ヴェントは奥さんの買い物クルマなので普段はこれでも構わないのだが、奥さんのご両親を連れてどこかに行くといったイベントが発生した場合、ヴェントでは対応不可能であった。
一方、オイラのクルマは通勤用のBeostと、お出かけ用のソアラであるが、娘が産まれたときに購入したソアラはほとんど出番がなくなった。
そんなわけで、ソアラはYAHOOオークションで売却。
で、「大人4人+チャイルドシート1台」に対応できるクルマに買い換えることとした。
そこで、ソアラの乗り換えとして考えたのが「一世代前のパジェロ・ロング」とか「ラルゴ」といった3列シートタイプのディーゼル。
なんせ昨今のディーゼル規制のため、何気に30万円程度で購入できる。
元の新車価格を考えるとかなりお買い得である。
そんなわけで、ラルゴ、パジェロロングあたりの購入を検討したのだが、いろいろ調べるうち、初期型オデッセイが予想していたより安いことを知り、結局、パジェロ、ラルゴといったディーゼル路線を変更し、オデッセイ購入検討を開始した。
オデッセイ検討では「いっそ少し(といっても上限60万円)出して2代目にしようかな」と思ったりもしたが、結局、初期型で安い出物をウォッチング。
上限25万円と決めていたため、何度も競り負けたものの、結局、平成7年型オデッセイL-6人乗り(4WD)の過走行車を21万円で落札したのである。

・走りに関して
オイラの場合、もともとSUVに何も期待していないのだが、操舵性や動力性能はそれほど悪くないな。というのが第一印象。
オデッセイを運転するのは今回購入したのが初めてであり、最初、タウンエースとか、あるいはラルゴあたりの乗り味を想像していたが、これらの車種とは全然違い、かなり乗用車に近い、というか、「重さを感じにくい」「よっこいしょ。といった感じが少ない」というのが率直な印象である。実際、エンジンはパワー感があるとは言えないものの、トルク感もそこそこあり、回転とともにパワーもある程度出るため、普段の足+α程度の運動性能といった感じである。
(適当な比較対象になるかどうか不明であるが、ウチの平成8年VWヴェントGLIよりは速い)
また、足回りも予想よりはずっと良く、フニャフニャ感は適度に抑えてあるが、それ以上に感心するのは高速コーナーでの路面追従性で、陀角に対して素直に曲がり、嫌な動きを見せずに維持してくれる。
その一方で、十字路など直角コーナーでの小回り性は低いのだが、これはホイールベースが長いという問題ではなく、低速時に挙動がきちんとしているわりにノーズが入りきらない(アンダーステアとも違い、意図的に大回りになるような感じ)といった印象を受ける。(別に4WSがついているわけでもないのだが)
あと、ブレーキは可もなく、不可もなく、といった状態である。
先日、大人4人+旅行荷物を載せて高速道路を含めた長距離をドライブしたが、重量増加によるブレーキ性能の低下はそれほど感じない。というか、気にならなかった。
また、高速道路の話のついでであるが、150km/h近辺の巡航運転はエンジンの非力さは目立つものの、走安定性は思った以上に高く、比較的強めのブレーキでも不安感はない。
3列シートのミニバンという先入観で「どうせ走らない・曲がらない・止まらない」といった印象とは異なり、運動性能は秀でていないものの不満はかなり少ない。といったクルマである。
ちなみに、燃費であるが、4WDということもあるのだが、あまり良いとはいえない。
レギュラーガソリン仕様であるが、町乗り・通勤では7~8km。先日の旅行で高速道路を多用した場合でも10km/h程度であった。

・内装や使い勝手
当たり前のことであるが、室内は広い。
今まで3列シートのミニバン系クルマを所有したことがないのもあるが、室内の広さはすでに「クルマ」というより大げさに言えば「ワイドビュー○○号」といった電車に乗っている気分になってしまう。
とまあ、そんな冗談はさておいて。
内装の質感はプラスチック主体とはいえ悪くはない。
というのも、SUVであるためか、素材的な質感が気にならず、どちらかというと広い室内とフロント部の自由度からくる「乗用車らしからぬサイズ」が普通のセダンとのデザイン比較にならないため、デザインも含めて「質感」という言葉が意味をなさない。といった感じである。
ただ、こう感じるのは、結果的に「よいデザイン」であるからで、もし仮に、メーターパネル周りの広いフロント空間が単純な平面で構成されていれば「なんだか商業車みたいだなあ」と感じるはずで、このような感じがしないことを考えると大変良くできたデザインになっていることになる。
シートはスポーティーなものではなく、ホールド性は乏しいものの、SUVとして考えると悪くない。
ただ、少し気になるのは運転していると身体がステアリングにまっすぐにならず、若干左に向いてしまうこと。これはオイラの姿勢に問題があるのかもしれないが、ペダルとシート座面の高さがフィットせず、知らずのうちに右足を前に出すため、姿勢位置が動き、結果としてステアリング操作がおかしくなってしまっている。(と、こう書くとやはりオイラの運転姿勢に問題があるのかな)
シートに関連するが、オデッセイには2列目ベンチシートの7人乗りと、2列目キャプテンシートの6人乗りがあり、今回のオデッセイはキャプテンシートの6人乗りである。
ベンチシートの場合、2列目シートを折りたたみ、広いカーゴルームを作ったり、背もたれを倒して2~3列シートのフルフラットなどできるが、キャプテンシートではこのようなシートアレンジができない。
当初、「ベンチシートのほうがいいなあ」と思っていたものの、使ってみると「キャプテンシートにしてよかったかもしれない」と思うことが多々ある。
というのも、オイラの場合、2列目右シートにチャイルドシートを常時固定しているのだが、大人4人が乗車する場合では3列シートも使用することになる。このとき、ベンチシートだと3列シートに行くために苦労する(場合によっては一度チャイルドシートを外さないとならない)が、キャプテンシートの場合、3列シートに行く場合は2列目シートがウォークスルーになっているため、チャイルドシードは邪魔にならない。
また、2列目シートが左右別々に位置調整できるなど、いろいろなシートアレンジを望まなければ6人乗りのほうが使い勝手はいいのかもしれない。
(もっとも、これはオイラの場合であって、やはりこの型のオデッセイを購入するなら7人乗りのほうがいいと思う。判断要因としては「これまでもミニバンを使用する機会が多く、カーゴルームを広く使う」か「今までセダンを使用していて、セダンのような使用が多い」といった使用目的による)
また、使い勝手はいろいろと(セダンに比べて)便利であるが、細かい部分で「ここがこうだったらいいのに」などと思うこともある。(特に3列シート右側にスペアタイヤを設置してあるのはどうかと思う)
ただ、これらの「もうちょっと」と言える弱点は、モデルチェンジした2代目オデッセイがほぼ完全に解決しているようであるため、予算があるなら2代目オデッセイの購入を勧める。

・問題点(特にないけど
特に問題点と思われることはないが、それでも気になった点というと、4WDモデルには燃料警告灯がないことくらいである。
おそらくはリア駆動系のため燃料タンク形状を変更した結果だと思うが、今時のクルマとしてはびっくりである。
もちろん、フューエルメーターがついているので、困るというわけではないのだが、やはり精神衛生上良くない気がする。

・個人評価
中古で14万kmを乗っているクルマなのだが、とりあえず使用する上で問題点がないためお買い得であったと思う。
結婚するまでは「絶対に3列シートのクルマは買わない」と豪語していたが、いざ子供が産まれると3列シートの便利さを痛感し、このテのSUVが従来のセダンを駆逐したのもうなずける。
そんなわけで、このオデッセイには別段なにかを求めていないため、壊れるまで乗る可能性が高い。(現在のところ、これで十分満足である。まあ、いままでこういう便利なクルマに乗っていなかったためであるが)
ただ、この先、子供が大きくなって、シートレイアウトの便利さなんかに興味を示すようなことがあれば、もっとユーティリティーの充実したSUVに買い換える可能性があるなあ。などと思った一台であった。