大好きだった幼なじみと縁を切った話
小学5年生の夏、Fは私が住んでいたマンションの真下に引っ越してきた。
私が603号室で、彼女のおうちが503号室。
マンションのすぐ近くに小学校があったから、二学期が始まったら二人でいっしょに登校しましょうって話になった。
引っ越しの挨拶をしにきたFはとても可愛かった。つるんとした卵のような丸い輪郭と艶やかな長い黒髪をたずさえていた。さらに生来の明るくさっぱりとした性格、あふれんばかりのユーモアで、きっと多くの生徒の心を射止めていた。私もその中の一人で、私は本当に彼女に憧れて