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"まあ。セレプロなので。"#9 チアーズはかく語りき(舞台「君の横はあったかい」 編)

ここにしかない物語を。

愛理役 荒井瑠里さんメッセージボードより

記事の内容がいよいよセレプロと関係無くなってきました。皆さんこんにチアーズ!

前回記事で予告していた通り、荒井 瑠里さんが萬劇場にて舞台「君の横はあったかい」(5/11~5/15で計7公演)に出演されたということで、出演者の皆さんお疲れさまでした!そして感想tweetを見る限りチアーズも結構現地に行っていたようで盛況で何よりです。配信組のコメントも気になるところですね。

……で、本来なら千秋楽まで完走お疲れさまでした!と労いの一文を残すところなのですが残念ながら千秋楽公演前に発熱者が出たということでラスト一回は中止となりました。

この回に関して私は全くの無関係なのであれこれ言える立場ではないのですが、出演者・関係者の皆さん、そして公演を楽しみにしていたお客さんたち、全員にとって厳しい判断だったと思います。
何はともあれ体調を崩された方が重篤な症状でない事を願います。

さて、話を戻すと私は5/14のマチネ公演を観劇してきましたのでそちらの感想を書いていきます。
ネタバレを含んでいますのでこれからアーカイブ配信を視聴予定の方は注意してください!

そして本来ならば全キャストの皆さんに言及して然るべきなのですがとんでもない文字数になってしまうためポイントを絞って書いています。各キャストのファンの皆さんご了承ください。

1.前置き

①観劇前と観劇後の予備知識

私は荒井さん出演の舞台を見るのは今作が3作品目になるのですが、前回(2月)の劇団ウルトラマンション主催「だから立ち上がる」で共演していた谷 知恵さんが脚本を、八幡 夏美さんが演出を担当されるということで作品を跨ぎつつも地続き的に楽しめるという注目点がありました。
ていうか商店街とか一部の設定引き継いでません…?

と思ってたら脚本の谷さんから回答がありました。

こういう小ネタには気がつく方なんですがストーリーの本質を見落としがちな私です。

ちなみに谷さんは荒井さんのTikTok動画に出ていたことがあったので見たことある!というチアーズも多いのではないでしょうか。

②萬劇場について

ここ数年の舞台観劇(ほぼほぼアサルトリリィ…)は新宿駅や池袋駅近くが多かったため「大塚駅のどの辺…??」と本気で場所が思い浮かばなかった萬劇場。普段は知らない間に何度か通過していたらしく。

座席数約130ということでこれまた「だから立ち上がる」公演で使われたテアトルBONBONと同規模のようです。このくらいの劇場だとどの席からでも近いからチケットはまあ後ろの席でもいいよね~。

嘘である!!!

この男、前作に引き続き最前席を確保するためチケット予約開始時刻と同時にS席の申し込みをしていたのだ!(別に私に限った話じゃないと思いますが)

そんなわけで今回もステージからやたら近い位置での観劇となりました。先日のとちアニの時も思ったんですけど推しが近くにいると嬉しさより緊張が勝るって私だけ…??

2.本編感想

①ストーリーについて

今日、僕は思い切って便利屋さんを始めました…
お互い様物件に店を構えた浩太と彼を支える幼馴染の3人。そこにやってくる色んな思いを抱えた人達。あったかい繋がりの中でほどけていくのは…。

これはそんな彼らの人生のほんの一部を…覗いてみるお話。

「君の横はあったかい」あらすじ

ストーリー自体の大きなギミック(謎的な要素)は無かったのですが秀逸だったのはその見せ方。
ざっくり言うと「時系列的に後のシーンを最初にもってくる」演出です。有名どころだと映画「Mission: Impossible 3」やRPG「FINAL FANTASY X」あたりでしょうか。

冒頭のシーンで喪服を着た三人が荷物整理をしながら「こうちゃん」のことを懐かしんでいる…ということから「こうちゃんが亡くなってしまうんだな」と思わされてしまったわけですが、ストーリーは別の結末へと収束していきます

浩太とその幼馴染である俊輔、陽輝、愛理の四人で始めた便利屋稼業「小鳥の便利屋」はまるでモラトリアムのような楽しい日々。
けれどその「始まり」と「終わり」に大きく関わる人物が現れた時、荒井さん演じる愛理は抗えない「依頼」と自分の感情に向き合うことになるわけです。

序盤から「先生」「病室」といった単語が出てきたり、「また明日」という言葉を躊躇する浩太、など状況を匂わせる演出があったので唐突感は無くすんなりストーリーに没入できました。それについては音波(「おんぱ」ではない)のエピソードに関しても同様です。

そして大きな悲しみを伴う出来事がありながらも直接的に関わりのない人たちの日々は未来に向かって進んでいく。
私も経験があることですが人の生活はそうやって折り重なっているんですよね。普段はそれを意識しないからこそ、こうして俯瞰的な視座で見た時に改めて実感させられます。

あとストーリーというか場面展開ではシンガーソングロックライター響くんの使い方がめちゃめちゃ上手かったです。
しんみりした雰囲気を一発で明るくできるのでこういった舞台劇ではああいうキャラクターの存在が重要なのかも。(どう見ても長渕じゃなくてBOØWYやないかい!というツッコミは野暮か…)

②タイトルを超解釈

最初にこの舞台のタイトルが発表された時に思ったのは「何で『君の隣』じゃなくて『君の横』なんだろ?」という疑問です。
例えば「隣にいる」と「横にいる」だとだいぶニュアンスが変わってくるじゃないですか。

せっかくなので観劇直後の解釈を書き残しておきます。

隣というと「隣の席」とか「隣の部屋」とかある地点を言いますよね。それを浩太を基準にするとベンチの隣で浩太の話を聞く「彼女」、浩太のアパートの隣人である響、音波が該当します。

しかし「横」だとどうでしょうか。「横」が範囲を差すならば浩太が関わった全ての人が当てはまってくる気がします。
浩太を慕って便利屋を手伝ってくれる幼馴染三人、バイトの結菜、お客さんの恵美子・音波・響(?)、アパートの大家さん…。浩太の優しさに、温かさに触れた人たちです。
そして「彼女」の横にいた姉の一華や浩太も「彼女」の心の温かさを感じていたのではないかな、と。

③愛理について

荒井さんめっちゃ良い役どころもらってるじゃないですか…!(クソデカ大声)
最初の台詞に始まりラストでは事実上のオチを担った愛理。

今回の舞台に臨むにあたって役についての迷いや悩みをTwitterやブログで話していた荒井さんでしたがファンの皆さんの目にはどう映りましたか?

気の置けない仲である俊輔や陽輝との息の合ったやり取り。対照的に浩太には姉のように接していて、だからこそ最後には間の悪さを発揮してしまうという…。それまで奮闘していた愛理を見ていたからかあのシーンは何だか自分も一緒にフラれたような気分になってしまいました。

これでもの凄く察しが良かったり物分かりが良かったり、となるとかえって血の通わない記号的な「キャラクター」になってしまっていたでしょう。
誰だって常に最良・最善な選択ができるわけではない。誰だってここぞという場面で間違える。そんな誰にでも通ずる普遍性が魅力の役柄でしたね。

ちなみに一番印象的だったのは手紙を受け取った後に一人で部屋に残るシーンです。
手紙を持つ手の震えだったり、自分の心も一緒に引き裂くかのように縫い付けられた布を引きちぎったり…と台詞はなくとも彼女の胸に渦巻く心境が観客にも伝わったのではないかと思います。

あ、そういえばチラシの絵を見てセレパの時に生み出された悪魔合体のトラウマが一瞬甦りましたが…。あの絵も荒井さん作だったのでしょうか…?(申し訳程度のセレプロ要素)

④その他の見所

急に歌うよーって言うほど急じゃないですが劇中でライブシーンがありました。何がびっくりって実際にギターとピアノ演奏してる!
そして結菜役の龍 杏美さんを調べてみたら15歳?!しかもアイドルとして活動されてるということで道理であの抜群な歌唱力だと納得。

あのライブシーンは某朝の連続TV小説っぽい演出だなと思ってみたり…。あ、でも「便利屋」という大筋の裏に浩太が抱えているものがある、というのはワンクールドラマ的でもありますね。恵美子とか音波とかゲストキャラクターの依頼を一話ずつ描写していく、みたいな。

小規模な舞台ってどうしても哲学的・衒学的メッセージが多いイメージがあって(偏見すぎる)何となくハードルが高く感じるのですが、良い意味でカジュアルに観れるのって舞台観劇初心者からするとありがたいことです。

あとは陽輝役の石川 翔さんの声色変えが「森久保 祥太郎のモノマネをする岸尾 だいすけ」っぽくてちょっと面白かった(伝われ)。

3.余談とか宣伝とか

ストーリー中盤あたりから後ろの席の人がめっちゃ泣いてて「まだここ泣くとこじゃなくねえ?!」と心の中でツッコんでいたら先の展開がちょっと読めて逆に冷静になってしまったという…。

まあ確かに観劇2回目以降だったら最序盤の看板を書くシーンあたりで泣いてしまいそうなのできっと複数回見ている人なのだろう。さすがに初回ではないと信じたい。

なお、荒井さんの次回出演作は6/30~7/5で池袋サンシャイン劇場にて公演の「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...THE STAGE」となっているそうです。はめフラのアニメ見たことないですけど真礼たそが人気男性声優に囲まれてるイメージしかないわ…。

サンシャイン劇場は今年1月に「舞台アサルトリリィLost Memories」で行ったんですが結構大きな会場です。お客さんもたくさん入るのでぜひ頑張ってほしいと思います。原作的に絶対女性客多いんだろうなー。肩身が狭い…。

ブロマイドのサイン…?当たるわけないでしょ…
(あとで通販で積み増ししよ)


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