19.ステータスウィンドウ

 ロールプレイングゲーム風の世界なら、「ステータス、オープン」と呟くだけで、自分の能力が見られるだろう。ではもし現実でそれができたのなら私はどんな能力値でどんな技術を持ち、どんな特性があるのだろうか。

「ステータス、オープン」

堂城一斗
経歴
・IT関連のスキル未経験から開始。
・JAVA歴 1ヵ月と10日
能力
・課題の進捗△ 少し遅れ気味
・忍耐力○ 諦めずに取り組んでいる
・傾聴姿勢◎ 講師や他の生徒のアドバイスを聞ける
・ビジネスマナー○ 筋書さえ想像できれば対応できる
技術
・プログラミング技術 誠心誠意努力中
・必須業務スキル ショートカットキーやマクロが使えない

……きっとこんな感じだろうか?

 そして、今日はキャリアカウンセラーとの面談があった。

「堂城さん、課題の進捗が少し遅れ気味のようですが、何かありましたか?」
「はい……、詰まった時に自己解決したいという自分の意地が出てしまいまして、聞いた方が早いんですけどね」
「自己解決しようとする意志や力を養うというのは素晴らしいことだと思います。そういうことであれば、今の段階で課題が遅れ気味なのは誤差みたいなものなので大丈夫です。よく頑張っていますよ」
「なるほど、ありがとうございます」
「もちろん、聞くことも大事なので、自己解決と聞くのバランスを自分で調整できるようになるといいかもしれませんね」
「バランスの調整ですか?」
「はい。時間を掛けても大丈夫な時と、デッドラインを意識して素早く解決した方がよい時など、その場の状況で異なります。その時にそのバランス感覚が頼りになります」
「あー……。悩んでもいいけど悩みすぎるなってことですね!」
「端的に言えばそうなりますね」
「わかりました。意識してみます。崎山さんありがとうございました」

 キャリアカウンセリングは、講師には直接相談しにくい悩みや今後のことを気軽に聞ける場である。率直な意見を言えるし、疑問や思ったことを答えてもらえる――無論、課題の内容は答えてくれないが。

 IT道場にきてから、なんだか色々な人とのかかわりがある気がする。

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登場人物
IT戦士を目指す人 堂城一斗(たかぎ かずと)
キャリアカウンセラー 崎山(ざきやま)
※この話は完全なフィクションです。
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