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懐かしさで新型ウォークマンを買うも結局iPhoneに戻ってきた話

■ NW-A306を買うも結局iPhoneに戻る

はじめてソニーのウォークマンを買ったのはたしか中学の頃。CDではなく今はなきMD(MiniDisc)のウォークマンでした。毎日の自転車通学で使っていたのを懐かしく思います。← ながら運転NG

大学の頃には今のようなDAP(Digital Audio Player)に生まれ変わりました。ポスドク時代のスウェーデンでも愛用。歴代で使ってきたウォークマンはたぶん5機種くらい。

棚の奥にしまわれていたポスドク時代のオンボロウォークマン(NW-A866)

最近はBluetoothのワイヤレスイヤホンが主流になったこともあり、iPhoneだけで音楽を聴くことが多くなっていました。そんな中、昨年に新発売の記事を見て懐かしさのあまりNW-A306を勢いで購入しました。

最近のウォークマンはアンドロイドを搭載(NW-A306)

だがしかし、1年も経たないうちに手放してしまいました。結局のところ、スマホでなんとでもなってしまう時代なんだ、というのが自分の結論です。ウォークマンに思い出があるからこそ、ちょっと悲しくも感じます。

ソニーが推す「音質」という面でも、今の時代にあえてウォークマンを選ぶ理由にはならんなぁ、というのが正直な感想。モノ自体は悪くないのですが…

(ちょっと納得感が薄い理由かと思います…)

■ 外付けBluetoothトランスミッターで高音質ワイヤレス

ウォークマンには、ソニーが開発したLDACというコーデックでBluetoothを送信する機能が備わっています。いわゆる「ハイレゾ品質」のビットレートで送信できます。ワイヤレスでも音質を確保できるのはありがたいです。

ただ世の中には、ハイレゾ品質コーデックで送信できるBluetoothトランスミッターというものが存在します。自分はSennheiserのBTD 600を使っています。他だとCreativeのBT-W5も有名。

aptX Adaptiveというコーデックで96kHz/24bitの高音質モードにも対応しています。BTD 600は本体がUSB-Aなので、USB-Cに変換するL字のアダプタを介してiPhone 15に接続しています。

USB-Cポートに挿せばすぐ使える(同じサイズ感で元々USB-Cならよりスマートですが…)

アダプタはUSB OTG(USB On-The-Go)対応を謳ったものであれば付属品以外でも動くはずです。例えばこんなやつ。

ウォークマンのLDACと聴き比べた当初はaptX Adaptiveの高音が少し刺さるような印象もありましたが、聴いているうちにむしろ解像度が高く感じてきました。その感触もLDACのウォークマンを手放そうと決めたきっかけ。

2024年1月時点では、ドングル型のLDACトランスミッターは存在しなさそうです。コーデック開発でもQualcommのaptXシリーズの方がアクティブにアップデートされている印象があります。

価格.comマガジン:「LDAC」と「aptX Adaptive」ってどう違う?

ちなみに私は「iFi audio Go pod × final A8000」という音質全フリの変態構成ワイヤレスイヤホンでハイレゾストリーミングに浸っています。

スマホにトランスミッターを刺してイヤホンを取り出せばすぐにBluetoothで接続されます

Go podはリケーブル可能な(ケーブルが取り外せる)イヤホンをワイヤレス化できるアダプタです。複数のコネクタに対応していますが、イヤホンの形状によっては装着感が悪いという報告もあるので要注意。A8000との組み合わせは自分には問題なしでした。

音質はさすがです。ソニーのWF-1000XM4も使っていましたが、同じLDAC接続でも違いは明らか。ただし、変態以外にはオススメしません!文字通り値段はケタ違いです…

なお、iPhoneやMacなどのAppleユーザーにとっては、AppleのAirPods Proが使い勝手の良さなどの総合力で最強だと思います。仕事で愛用しています。

■ 外付けUSB DACで高音質ワイヤード

ウォークマンの別の利点として良く挙げられるのが、有線イヤホン・ヘッドホンによる高音質なハイレゾ再生。エントリーモデルとされているNW-A306も3.5mmステレオミニジャックはGND分離に対応しています。

GND分離:通常は結合されている左右のイヤホンのグラウンドを分離することで左右のクロストークが減少して音質が向上する(らしい)。

「音楽専用機」スタミナも進化「NW-A300シリーズ」。アンバラGND分離対応

内部のDAC(Digital-to-Analog Converter)やアンプも音質を重視して設計されているとのこと。実際にコンパクトサイズながら良い音。

だがしかし、世の中には便利でコンパクトなUSB DAC・アンプもあります。自分はワイヤレスと同じiFi audioのGo linkを使っています。

スマホのUSB-Cに挿すだけですぐに使えます。さらにGND分離にも対応。

LEDが強すぎて暗いところで眩しいのでスナフキンに守ってもらっています

バスパワー駆動でコンパクトながら音質はGood。onsoの3.5mm4極ケーブルでSennheiserのIE 600を聴いた印象ではNW-A306と優位差はありません。

難点を挙げるとするならアンプが強力で細かな音量調整が難しいところ。気になるなら、iFi audioのIEMatch+というアッテネータで利便性を上げられます。

ちなみに、IEMatch+には3極と4極を切り替えられる機能もあるので、ケーブルを変えることなく通常のステレオミニジャックにもGND分離の3.5mm4極プラグが繋げてしまいます。めっちゃ便利!

ポータブルUSB DACは1〜5万円くらいの製品が多く、サイズや機能、駆動電源の違いなどからスタイルに合ったものが選べます。

フジヤエービック:スマホを高音質化するドングルDACおすすめ15選

■ 思い出のウォークマンも時代の流れには逆らえぬか…

ということで、iPhoneにUSB-Cのアクセサリを繋ぎさえすれば、ワイヤレスでもワイヤードでも高音質なハイレゾを自由に遊べるということに気づいてしまいました。スマホがある前提ならお金も安上がりです。ウォークマンのもっさり不安定な動作からも解放されます。

実感としてバッテリーのバカ食いもありませんし、スマホは仕事にもプライベートにも必須なので充電を忘れることもありません。むしろアンドロイド搭載のウォークマンは使っていなくても電池が減るので、忘れず充電が必要なのもちょっと面倒。ちなみに電源を切ると起動にめっちゃ時間がかかります(!)

ワイヤレスとワイヤード切り替えもUSB-Cのアクセサリを付け替えるだけなので特に不便は感じません。違うイヤホンを同時に使うことはないでしょう。ワイヤレス給電を使えばiPhoneを充電しながら音楽が聴けます。

個人的には、昔からガジェット的なモノが好きで、ウォークマンのかっこよさや楽しい体験は「工学の道」に進もうと思ったきっかけの一つでした。そんな思い出深いウォークマンですが、輝くポジションを私自身でも見つけることが難しくなったという事実に時代の変遷や物悲しさを感じます。

ちなみに40万円近いフラグシップモデルもあるようですが、その金額なら電源とかケーブルとかを変えられる据え置き型の方がいろいろ遊べて楽しいような?と思います。ウォークマンへのノスタルジーは感じられますが…

ソニーウォークマン:NW-WM1ZM2

▼引き続きモノ雑記をマガジンに投稿予定です

(2024.01.23)本記事がnote ITの公式マガジンにピックアップされました。


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