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10インチサイズの読書器比較


今回は10インチサイズの読書器2種類を比較してみたいと思います。
比べるのは…

日常生活用具給付制度を使って自己負担をできるだけ抑えて購入できる人気機種、クローバー10
携帯型拡大読書器 クローバー10|システムギアビジョン (sgv.co.jp)

携帯型拡大読書器クローバー10の画像
携帯型拡大読書器クローバー10の画像

もう一つは自己負担額はちょっと増えるけど、テキストの読み上げ機能がついた10インチサイズの携帯型拡大読書器、コンパクト10スピーチ
携帯型拡大読書器 コンパクト10 スピーチ|システムギアビジョン (sgv.co.jp)

携帯型拡大読書器コンパクト10スピーチの画像
携帯型拡大読書器コンパクト10スピーチの画像


どちらも携帯型拡大読書器ですが、重さはというと…
クローバー10…約700g 
コンパクト10スピーチ…約950g
でもこの重さは本体だけの場合です。
実際に持ち歩くであろう専用ケースに入れた状態だと…
クローバー10…約880g 
コンパクト10スピーチ…約1400g 
になります。

さらにクローバー10の場合は別売の専用スタンドがあります。
このスタンドも一緒に持ち歩く場合は、
本体(ケース込み)880g
スタンド(ケース込み)880gとなります。

クローバー10の専用スタンドと本体が付属のケースに入った状態の画像
クローバー10の専用スタンドと本体が付属のケースに入った状態
コンパクト10スピーチが付属のケースに入った状態の画像
コンパクト10スピーチが付属のケースに入った状態


携帯型とは言っても、これを毎日カバンに入れて持ち歩けるかというと…
使用者の年齢や性別やその日の機器の必要性などで変わるかもしれませんね。要るかどうか微妙な日ならできれば置いていきたい重さかもしれません。

さて、次は画像の保存について…

どちらの読書器も画像の保存はできます。
クローバー10は読書カメラで約1,000枚、
コンパクト10スピーチは3.5GB
要はどちらもたくさん保存できます。が…
クローバー10で保存した画像は読書器の中でのみ見ることが出来ます。
コンパクト10スピーチで撮影した画像はUSBケーブルを使ってパソコンに転送することが出来ます。(ただし一方通行、パソコン➡読書器はできません、パソコンから読書器の中のデータの操作もできません。)

そしてバッテリーの使用時間については…
クローバー10…連続使用4時間 充電時間5時間
コンパクト10スピーチ…連続使用3.5時間 充電時間4時間

充電方法はどちらも専用のACアダプターを使用します。

使用時間はどちらも画面の明るさの設定などによって変わります。
両方ともリチウムイオンバッテリーを使用していますので、一般的なスマートフォンと同じように、何年も使っていただくといずれバッテリーは消耗してしまいます。そうなった場合はどちらも内蔵バッテリーの交換が可能ですが、システムギアビジョンまで機器を送っていただき、修理対応としてバッテリーを交換します。(通常の使用でも経年劣化によるバッテリー消耗交換は有償修理となります。)

読書モードでの倍率
クローバー10…最大32倍(現行モデル、旧モデルは異なります)、最小2倍
コンパクト10スピーチ…最大22倍、最小0.5倍※
どちらも対象物から離せばさらに低倍率でも表示可能です。

※拡大読書器なのに0.5倍ってどうして?と思われるかもしれませんね。
見えにくい方の中でも、「視野が狭いので、限られた視野(画面)の中によりたくさんの情報が必要」という方に必要な機能なのです。

次はそれぞれの機種にしかない機能についてです

クローバ10にはミラーモードがついています。
カメラを切り替えることによって、自分の顔を見ることができます。
写っている自分の顔を拡大することもできます。
コンパクト10スピーチにはこの機能はありません。
クローバ10は物理ボタンで操作します。
触ってわかる物理的なボタンがあります。拡大、縮小、色変更などすべてボタンでの操作となります。タッチパネル操作はありません。
別売りの専用スタンドで筆記がしやすくなります。
以下の画像のように、本体とテーブルの間に空間を作ることで自然な姿勢で手元を拡大することが出来ます。
ただ、画面に映る手元と実際の手元の動きはほんのわずかにズレが生じますので、ある程度の練習や慣れは必要です。
どれくらいズレるのかは拡大している倍率やそれぞれの手を動かすスピードなどによって異なります。

クローバー10を専用スタンドにセットした画像、読書器の画面の下にペンを持った手があり、筆記をしている様子
クローバー10を専用スタンドにセットした様子

コンパクト10スピーチには読み上げ機能がついています。
読み上げアイコンをタッチすることでカメ ラの撮影範囲に入っている文字を音声で 読み上げます。読み上げの速度や音量は調節できますし、Bluetooth接続でイヤホンやスピーカーを使うこともできます。
ただし日本語に関してはまだまだ誤読も多いので、補助的な機能と思っていただいた方がいいかもしれません。
でも実はちょっとすごいのが、コンパクト10スピーチは言語が選べるので、例えば音声を英語モードにした時の英語の文章の読み上げなどはけっこう精度が高いです。(ちゃんとモードを変更した場合です)
これはお仕事で英語を使われる方や学生さんにはポイント高いのではないでしょうか。
また、様々な言語に対応していますので、日本語に不慣れな外国人のユーザー様にもお勧めできます。
コンパクト10スピーチは使う人に合わせてモードが選べます
コンパクト10スピーチはシンプルな「簡単モード」とすべての機 能を使用できる「標準モード」があります。

コンパクト10スピーチを使って書く作業をしている様子
コンパクト10スピーチを使って書く作業をしている様子


コンパクト10スピーチは付属のアームカメラでA4まるごと撮影もでき、筆記の作業もしやすくなります。
A4まるごと撮影はクローバー10では専用スタンドを使ってもできません。(やろうと思ったら本体を机と平行に、それなりの高さに持ち上げなければなりません。)また、アームカメラを使うことで厚みのある本や筆記の作業などはクローバー10と同じようにできますが、読書器の「カメラで撮影したものを画面に映し出す」という特性上、どうしても筆記の作業はズレが生じます。
また、アームカメラは右側に出る仕様になっていますので、筆記の作業は左利きのユーザー様にはとてもやりにくくなります。
アームカメラを使って筆記するときには書きたい部分をアームカメラ撮影範囲の中心あたりに持ってくるというちょっとした手間がかかります。

操作はすべてタッチパネル
コンパクト10スピーチは電源のオン/オフ以外の操作はすべてタッチパネルとなります。そのため、物理的なボタンを触って確認しながら操作したい方にはおすすめできません。

ミラキャスト機能がついています
コンパクト10スピーチは読書器で映した画像をミラキャスト機能があるテレビで表示させることが出来ます。
クローバー10は外部出力用のHDMA端子の接続口はありますが、どのテレビでも必ず映るというものではなく、正直映らないテレビの方が多いと思います。ですので、取扱説明書にはテレビとの接続についての項目は記載しておりません。

両方の機種でできること
拡大・縮小やハイコントラスト(フルカラーではなく2色での表示にする)
ハイコントラストモードでの色の変更(使用様の目の状態で見やすい2色での組み合わせの表示に変更する)
コントラスト調節はどちらの機種でも可能です。例えば生協の注文用紙などもともとの印刷が薄いものがはっきり写らない場合に使う機能です。
ライン機能はどちらにもあります。(どこを読んでいるか迷子にならないための目印のような線が画面に表示されます)
★遠くを見るための遠方モードカメラ(注※でも手で掲げて持つにはどちらもちょっと重いです)

さて、2機種のお値段の違いですが…
クローバー10 本体のみ 198,000円(非課税)
クローバー10専用スタンドモデル 204,000円(非課税)
シンプルで操作しやすいのでご高齢の方にも使いやすく、日常生活用具給付制度で自己負担をできるだけ抑えて購入できる機種です。

コンパクト10スピーチ  239,000円(非課税)
読み上げ機能がついている分、ちょっとだけクローバー10より高額です。
ですが、システムギアビジョン製品の中で拡大と読み上げの両方が備わっている唯一の機種です。

視覚障害者用拡大読書器は日常生活用具給付制度を利用して購入される方が多いのですが、多くの自治体で給付上限額は198,000円となっています。
そこから、世帯の収入によって〇割負担などになりますが、負担額は自治体によって大きく差があります。
ご自身が視覚障害者用拡大読書器を購入するときにいくらの費用負担になるのかは、お住まいの自治体の障害福祉課などに直接ご相談ください。
また、2024年4月からは給付上限額を引き上げている自治体もあります。
自分のニーズに合った読書器を金額を理由に諦める前に、ぜひ一度自治体にご相談くださいね。
以下のページでは視覚障害がある方が受けられる福祉サービスについての情報を記載しておりますので、ぜひご覧ください。

視覚障害者が受けられる福祉サービス|システムギアビジョン (sgv.co.jp)

システムギアビジョンの視覚障害者用読書器はすべてお試しいただけるデモ機をご用意しております。
販売店様、病院様だけでなく、個人様へのお貸出しも行っております。

お店や病院で紹介してもらったけどじっくり家で試してみたいという方には、返却時の送料負担のみで機器をご試用いただけますので、システムギアビジョン デモ機担当までお気軽にご相談ください。

お貸出しや機器選定のご相談、お問い合わせは以下の問い合わせフォームをご利用ください。
お問合せ|システムギアビジョン (sgv.co.jp)
(上記リンクがスクリーンリーダーでうまく読み上げられない場合は、お電話でもお問い合わせを受け付けております。電話 0797-74-2206) 

また、スタッフが訪問する「訪問デモ」ではお客様のお近くの弊社スタッフが、お客様の生活スタイルに合った機器や地域の給付制度利用の手続き方法をご提案させていただきます。機器選定のためのスタッフの訪問は費用はいただいておりません。
スタッフの訪問が出来ない地域のお客様にはお近くの販売店をご案内させていただきますので、お気軽にご相談くださいませ。

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