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もちづき夫妻のざわついた一夜〜赤い衣装の女編

わが家では夫妻のスマホが同期しているので、撮った画像がお互いの写真フォルダに残ってゆく。
子どもたちが寝静まった夜、私はスマホの写真フォルダを開いた。すると、見覚えのない謎の画像があるではないか。

画像1

「なんじゃこりゃああぁぁあ!?」

息子のあどけない猫じゃらし写真の中にぽつんと、真っ赤な衣装に身を包んだ見知らぬ女性とおぼしき写真が一枚紛れ込んでいる。
もちろん私は撮っていないので、これは夫の写真だ。

すぐさま、仕事で遅くなると言っていた夫にLINEを送る。返信がないので、ますますいろんな妄想が駆け巡る。

撮影時間が17:22てことは仕事中に?
夫が仮装している可能性もあり得るぞ。
まさか、私へのクリスマスプレゼント?
いやいや、コレどんな衣装よ?てか誰よ?
あやしい・・・実にあやしいぞ!
かよわき妻子を差し置いてコソコソと、なんてハレンチな奴め!

このモヤモヤをFacebookに投稿してやろうか。はたまた母親に送信しようか、いや会社か・・・私は鬼の形相で夫への仕打ちを思いつきはじめた。

画像2

「ただいまー」実にあっけらかんと夫が帰宅した。
写真を見せると「えーしらないよー」の一点張り。夫がウソをついている風にも見えないし、そもそも追求するのもアホくさい画像だと思えてきた。

「私というものがありながら、あなたって人は!」と用意していた台詞もあっさり肩透かしを食らった。

とにかく謎めいて不気味なので、2人で検索したり推測したり。なんらかのサイトの画像を誤って保存したのか、アップル社からのプレゼントか、はたまた魔法か?

迷宮入りのまま、翌日、夫がワインとビールをたんまり買ってきた。
試合終了。

画像3

(画像の出元を検索している真面目そうな夫)

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