マガジンのカバー画像

Brain Sentence

17
小説ですたい。ノリで書き始めちゃうことしばしば。
運営しているクリエイター

2015年11月の記事一覧

エンプティ③

急がなくては。

家を出るときには小雨だったのに、すっかり雨粒が大きくなっている。

ああ、どうして自分はこんなことを…と何度も思った。ただ、そう思ったところで抑えられるものでもなく、僕は走っていた。

肌に当たる雨が冷たい。雨は確実に僕の体温を奪ってはいたが、この焦燥感までは冷ましてくれなかった。

地下鉄を降り、駅を出てもう10分くらいだろうか。駅前の道は少し混雑していて、色とりどりの傘が路上

もっとみる