野球選手のサインを貰って、“笑いの魂”を返した男
少しクサい表現だけど、芸人さんって笑いの道を進む時に神様から“笑いの魂”を貰うのだと思う。
だから、あんなにかっこよくて面白いんだと思う。
2023年M1大会の決勝で「コンビD」のOが漫才後の審査員達と話す場で会場に来てた野球選手にサインをねだってた。
長めの尺をとって、野球のユニフォームを取って来て、最後に放った言葉が
「◯◯選手、後でサインだけ貰っても良いですか?」
これに笑える人っているのかな。個人的には全然笑えなかった。
今田さんの高速ツッコミとフォローのおかげで表面上は面白くなってるけど、中身はスカスカだった。
そもそもこれはボケなのか。
芸人には欲があっても、全てを最終的に笑いに繋げようとしてるから、面白いし、カッコいい。
「お金が欲しかったり」「不正に最終決戦に進ませて下さいと頼んだり」と欲を笑いに繋げようとしてる。
そこには笑いがあり、もしスベっても、ダサさはない。
さらに、この「コンビD」はそもそもネタ自体もそんなに面白くなかった。
ネタが大して面白くなくて、審査員が喋ってる時に一瞬後ろを見たり、ネタ以外の所作も面白くない。そして最後に放つあの言葉。
ダサかった。
別に良いと思う。すごい好きな野球選手なんだと思うし、憧れの選手なんだと思う。
でも、あの場であの言葉を言わないとダメだったのか。裏で言うよりは、あそこで言うことでサインを貰える確率は上がると思う。
でも、あの瞬間に、サインと引き換えに神様に“笑いの魂”を返した気がした。
X(旧Twitter)でこの出来事を表した一文「〇〇のサインを貰いにM1へ行った男」と書かれてた。
一見すると面白い文だし、軽く流されると思う。
でも、起こった出来事の衝撃は半端ない。
このダサさと“笑いの魂”を取り返すのはテレビでしかないと思う。
でも、テレビに出る芸人なんて化け物しかいないし、そこから、出て、笑いをとるなんて、至難の業。
このコンビもM1決勝に行ったのは凄過ぎると思う。
でも、思い出作りに行ったのかなと思う。
もう2度とこういう場に出れないから、発した言葉なのかな。
だとしたら、賢いよね。
でも、ダサい。
「もったいないな。」と思った。
「YouTubeで見かける事があったけど、YouTubeだけじゃなかったんだ。漫才も頑張ってたんだ。」と思ってたのに。
スベるとかスベらないとか関係なく自分達の漫才を全力で、笑いを全力で取りに行くのかと期待してた。
あの言葉でそのコンビの笑いに対する姿勢が分かってしまった気がした。
すごく、残念です。
野球選手のサインを貰えたから、すごく良いよね!
Youtubeの笑いはまだ残ってるから、頑張って欲しい!
【後書き】
M1後に放送される、YouTubeの千鳥が司会の「M1打ち上げ」にて、
「コンビD」がその事に言及していた。
千鳥が司会だし、カメラがあるし、M1直後だから、明るく楽しく話は進んでたけど、やっぱり自分の中では違和感があったし、相方のH(コンビD)が可哀想に思えた。
この会話を聞いて。
やっぱりO(コンビD)のあの行動はボケでもなんでもなかった。
“笑いの魂”を神様に返した瞬間だと思えた。
この行動を事前に聞かされてなかった相方のH(コンビD)は気の毒だと思う。
でも、この行動に対して本気でOと話し合わないと二人して“笑いの魂”を神様に返す事になると思う。
僕からしたら、このコンビが何を選択してもどっちでも良いけど、
芸人の面白さとかっこよさについて、僕が改めて考えるきっかけをくれた事にすごく感謝してる。
やっぱり、芸人はかっこよくて面白い。
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