esportsキャスターが教えるLeague of Legendsの観戦方法③
自己紹介
皆さんこんにちは。
esports業界でキャスター(実況)をさせていただいている、syouryu(ショウリュウ)と申します。
League of Legendsというゲームを中心に実況を行なっており、2年目になるesportsキャスターです。
私の詳しい話はU-29さんにたっぷりと書いてあるのでお時間あればご一読下さい。
また、この記事は連載になっていますので前回を読んでいないという方は是非こちらをお読み下さい
いよいよ試合へ
前回はLeague of Legendsを観戦する上で最低限の知識をご紹介しました。
今回からは実際の試合のうち、
②~⑤までの序盤を解説します。
今回も試合の例として使用するのは昨年のWorld Championship 2021 決勝戦 EDG(中国) vs DK(韓国)の最終ゲームです。
下にリンクを記載するのでこの記事と合わせて見てみて下さい。
試合開始直後
試合開始直後はレーンフェイズです。
レーンフェイズとはレーンに来る相手ミニオンを倒して、お金と経験値を獲得することです。
これを行う理由として試合開始直後は、チャンピオンは全員レベル1からのスタートで通常スキルをすべて使用可能にするのにレベル3になる必要があるからです。
League of Legendsではチャンピオンのスキルや能力は不変であるため、このお金を使ってアイテムを買うことで相手に対し有利に戦闘を進めることを目指します。
しかし、試合開始直後すぐにミニオンを倒し始めるわけではありません。
ミニオンが出現するまで若干の時間があるのです。
その時間を駆使してプロ選手は相手のジャングルの中へ入ろうとします。
ジャングルにいるモンスターは倒すと約2分間再出現しません。
この為、効率よく狩りたいJGの選手はジャングルのモンスターを結ぶようなルートを設定し、テンポよくモンスターを狩っていきます。
なのでジャングルの中に入ってワードというアイテムを置くことで視界を取ることができ、その設置を行うことでルートを探ってやろうというわけです。
しかし相手としてもそんなことされてはたまったもんじゃありません。
ジャングルの入り口を5人で分担して監視することにしました。
という思考をお互いが行うとこのような配置になり、ミニオンがレーンに到達するまではこのままお見合いをすることが多いです。
つまり、この形にならなかった場合。
それはどちらかのチームがこの2分間に奇抜な作戦を遂行しているということです。
上記した動画では試合開始直後にTOPレーンに5人集まるという作戦を中国のEDGが行いました。
作戦の詳しい内容は実況解説の方で説明しているので割愛しますが、この知識があると「これはいつもと違うぞ」と分かるわけです。
レーンフェイズ
ミニオンがレーンに到達するとお互いの選手は相手のミニオンを倒してお金と経験値を獲得し始めます。
ここで注目するのはチャンピオンのレベルとJGのGANKです。
チャンピオンはお互いレベル1から開始しているので、相手よりスキルが一つ増えるレベル2のタイミング。
そしてさらに一つ増えるレベル3のタイミングは注目です。
スキルが一つ多いと言うのは明確なアドバンテージなので戦闘が発生しやすいのです。
JGの仕事はジャングルのモンスターを狩りながら、各レーンへGANK(奇襲)を行うことだと前回説明しました。
このシーンでは韓国のDKが中国EDGのTOPレーンに対しGANKを行っています。
これにより、EDGのTOPの選手は相手のミニオンを触ることができず、お金と経験値を獲得できません。
DKのJGの選手はTOPレーンを自分たちが有利になるようにGANK(奇襲)したのです。
このような形で序盤はJGの選手が各レーンへ介入することが多くなります。
そこでの戦闘が終盤どう影響してくるのか、それが戦術ゲームLeague of Legendsの面白さです。
5:00~8:00 ドラゴン
画面上部に時計がありますが、これは試合の経過時間を示しており
最初のターニングポイントは5:00のタイミングです。
前回説明したドラゴンが出現する時間です。
ドラゴンはボットサイドジャングルに出現するので主にJG・ADC・SUPで倒すことになります。
しかし、重要なモンスターになるので更にTOP・MIDの選手が集まり、5人vs5人の構図になることもよくあります。
JGの選手はスマイトというスペルを持っていてこれをモンスターに撃つことで900のダメージを与えます。
ドラゴンの獲得は最後にトドメを刺した選手のいるチームに与えられるので、このスマイトで相手からドラゴンやリフトヘラルド・バロンナッシャーを奪うことを"スティール"と呼び、実況解説も大盛り上がりする瞬間です。
スティールで大盛り上がりする実況解説
8:00~ リフトヘラルド
8:00になるとリフトヘラルドが出現します。
このモンスターは前回説明した通りタワーを破壊するのに有効なアイテムを落としてくれるのでネクサスをいち早く壊したい両チームにとって見逃せないモンスターとなります。
重要レベルで言うと最初のドラゴンと最初のリフトヘラルドではリフトヘラルドの方が優先されるため、リフトヘラルドの出現するトップサイドジャングルではこの時間帯、にらみ合いや大きな戦闘が発生します。
~14:00 タワープレート
14分までの間は各レーンのアウタータワー(一番外側にあるタワー)にはタワープレートというものが付いています。
これはタワーの耐久力を向上させるが、1枚壊されると160ゴールド(お金)を壊した相手が獲得する。
このタワープレートは5枚セットになっており、すべて壊すことができれば160×5で800ゴールド。
TOPレーン・MIDレーン・BOTレーンのアウタータワーすべてを破壊することで最大2400ゴールド獲得することができる。
序盤に多くゴールドが獲得できるため14分まではタワーの防衛に両チーム力を入れることになる
なので14分までは
タワーは守りたい
ドラゴンを倒したい
リフトヘラルドを倒したい
ミニオンを倒してお金と経験値が欲しい
というのが基本的な考え方になるので、どれを優先してどれを捨てるのか。
"二兎を追う者は一兎をも得ず"なんて言葉があるようにすべてを行うことはできないので、何を優先するのか。
それを見守るのは序盤の楽しみ方になります。
選択の連続 中盤へ
14分を超えると各チームできることが増えてきます。
できることが増える=選択肢が増える
ということになるので、League of Legendsが戦術ゲームである本性を表してきます。
次回は怒涛の選択、中盤を解説していくので noteのフォローとTwitterのフォローをしてくれると嬉しいです!
それではまた次回お会いしましょう!!