ダウン症のある子どものリハビリについて 質問&回答 その3

小児地域リハビリテーション研究会に寄せられたQ&A

Q:2020/5/28 21:01 当事者のご家族

リハビリという言葉もそうですが、子どもが育つ課程で必要な手助けについて、もっと前向きにポジティブに社会や本人、家族学校が捉えるためには、なにが必要なのでしょうか。
世間ではかわいそうという印象のもと、その必要性が知られていないので、接点のない人が親になると、何をするのか、どこに頼ってよいのか、かわらない状況です。
社会インクルーシブになる道筋を教えてください。今回のイベントに関係ない内容でしたらすみません。  

A(真野Dr):ありがとうございます。おっしゃる通りです。そのような気持ちで取り組んできました。
私は個人の診療を行っています。今回、思いがけない反響をいただいています。
社会的インクルーシブに関して、私は専門ではありませんが、アメリカでは、前回お話しした「神の摂理が動き出す」ところまで進んでいるのが現実です。
どうすればよいでしょう?考えているうちに子どもたちは大きくなりますね。

Q:2020/5/28 21:10 看護師

ダウン症児が座位を習得する時、関節が柔らかいため通常の座り方ではなく、高い確率で足を後ろから前に回旋させて座る座り方が多いです。通常の座り方にするにはどのような練習をすれば良いですか?

A(真野Dr):年齢によりますが、stage2.3にあるような座位からの動作の変換の練習が大切です。
骨盤の動かし方(左右、前後の傾きと、重心の移動)、腹筋の使い方など個人的に教えるとよいです。腹筋を使えないと体幹が前に傾き、またさき姿勢になることもあります。
トンビ座りは膝関節に負荷がかかるので注意が必要です。これからの姿勢と歩行能力に影響します。

Q:2020/5/29 6:59 公認心理師・臨床心理士・社会福祉士

ダウン症の方も性格や行動の特徴、知的水準、身体の使い方の得て・不得手などは、それぞれ異なります。その上で、心理士の立場からのダウン症のある人たちへのリハビリテーションにおいて留意すべきこと、期待されることはどのようなことになると思いますか。

A(真野Dr):低緊張は発語機能out putに影響します。7歳頃に回復することは、前回説明させていただきました。
聴覚障害に対する対応が遅れます。中耳炎が見つからないこともあります。制度的な問題もあります。障害ではなく発達の途上です。
視力に対する治療法に一貫性がないため、注視が遅れます。視力は4歳頃に伸びるのですが、眼鏡の使用が遅れます。評価のできる眼科医も多くはありません。(貴重な存在です)
そのころに運動能力も発揮できるものと思います。
視力、聴力、身体能力は脳機能と関連して、発達を評価するべきであると考えています。

【参考図書】
ウィンダーズ先生のダウン症のある子どものための身体づくりガイド おうちでできる練習BOOK 原著第2版

ダウン症ー書籍

オープンチャット「小児地域リハ研究会」
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配信会場のご協力:医療法人社団雪嶺会 東京リハビリ整形外科クリニックおおた

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